判例時報No2446号で紹介された東京高裁令和元年11月20日判決です。
(仁淀川)
(事案の概要) 東京都目黒区所在の分譲マンション(全12戸)で大規模修繕工事(工事代金約1627万円)が実施され、マンション管理組合は、修繕積立金及び金融機関借入金から工事代金を支出した。当時の管理組合の理事長であったXは、その後、事実上更迭され、新たな役員で構成される管理組合から、工事代金等の返還を請求されるに至った。このため、当時の管理組合の理事長Xが、管理組合Y1に対して、債務不存在確認を求めて訴えを提起してきた事案です。
(第1審) 大規模修繕工事は管理組合の総会承認を得て実施されたから、理事長Xには、理事長としての注意義務違反行為が認められないとして、Xを勝訴させました。
(第2審) Xの逆転敗訴
第2審の判決の要旨は、以下のとおりです。
管理組合の役員と管理組合の法律関係について、一般に、役員と管理組合との間には委任契約が成立していると解されるから、役員は委任の本旨に従い善良なる管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う。
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株式会社とその取締役との間の関係と同様に、管理組合の理事長が私的利益を目的として職務を遂行することは、管理組合の総会又は理事会の決議に基づくものであったとしても、善管注意義務違反にあたるとした。
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その上で、大規模修繕工事の実施に関するXの理事長としての職務遂行は、総組合員の利益を目的とすることを装いつつ、その実はXの私益利益、すなわち将来の総組合員の利益を犠牲にした上での自己所有住戸の高値転売を図ったものと推認し、理事長Xには、管理組合Y1に対する善管注意義務違反があると判断しました。
第1審と第2審とで判断が変わりました。
第2審判決では、Xですが、かなり露骨に裁判所から非難されています。
最高裁に上告受理されているようです。
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