金融法務事情No2140号で紹介された東京地裁令和元年11月11日付け判決です。
(今治・安神山)
判決要旨を紹介します。
「司法書士による本人確認及びこれに基づく本人確認情報の提供は、不動産登記法23条1項所定の事前通知制度に代替できるだけの内容および確度を備えなければならないから、司法書士は、本人確認情報を作成し、それを登記官に提供して登記申請を行う場合であって、登記申請人である者と面識がない場合には、本人確認をするに際し、本人確認書類の原本の外観、形状、体裁および記載内容を十分に検分し、偽造を疑うべき不審な点がないかどうかに注意を払い、不審な点が認められる場合には、さらに調査をおこなうなどして、合理的な根拠に基づき本人確認を遂げる義務を負う。
ところが、被告は、上記不審な点がないかどうかに注意を払ったとはいえず、そのため、不審な点を認め得ず、さらに調査を行うこともなく、一方、被告がさらなる調査として、不動産の所有者本人と面会したり、勤務先の連絡先を調べて問い合わせをしたりすれば、本件売主が所有者本人と同一人ではないということが、たやすく判明したと認められることによれば、被告は、一見して偽造と疑うべき不審な点を漫然と見逃し、その結果として、合理的な根拠に基づき本人確認を遂げるにいたらず、本件売主が登記名義人である所有者本人と同一人であるという誤った判断をしたのであるから、司法書士の職責である本人確認義務を怠り、委任契約上の注意義務に違反したと認められる。」
厳しいです。運転経歴証明書の表示が通常と異なっていたようですが、田舎弁護士は、運転経歴証明書は、1,2度しか見たことがありません。
2億円近くだまし取られた事案です。
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