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2020年4月 5日 (日)

【金融・企業法務】 貸金の支払いを求める訴訟において、前訴でその貸金に係る消費貸借契約の成立を主張していた被告が同契約の成立を否認することは信義則に反するとの原告の主張を採用しなかった原審の判断に、違法があるとされた事例

 金融法務事情No2134で紹介された最高裁令和元年7月5日判決です。

 XがAからYに対する貸金返還請求権を譲り受けたとしてYに対し貸金の支払いを求める訴訟において、YがAから金員を受領したことを認めたが、同金員に係る金銭消費貸借契約の成立を否認した場合において、次の(1)、(2)など判示の事情の下では、これらの各前訴の訴訟経過等に係る事情を十分に考慮せず、Yが各前訴では自らAの面前で金銭消費貸借契約書に署名押印していたことなどを積極的かつ具体的に主張していたなどのXの主張について審理判断することもなく、Yが上記の否認をすることは信義則に反するとのXの主張を採用しなかった原審の判断には、違法がある。

 (1) AがYに対して建物の明け渡しなどを求めて提起した前訴において、Aは、Yを売主、Aを買主とする上記建物の売買契約を締結しその代金として上記金員を交付したと主張し、Yは、上記売買契約の締結を否認し、上記金員はAと締結した金銭消費貸借に基づく貸金として受領したものであると主張したところ、裁判所は、上記売買契約の成立を認めることはできないとして、Aの建物明渡請求を棄却する判決をし、同判決は確定した。

 (2) 上記(1)の判決後にXがYに対して上記建物の明け渡し等を求めて提訴した前訴において、Xは、AがYと上記建物につき譲渡担保設定予約をし、予約完結権を行使した上、譲渡担保権を実行して上記建物をXに売却したと主張し、Yは、Aと締結したのは金銭消費貸借契約であると主張しつつ、譲渡担保設定予約の成立を否認したところ、裁判所は、Xの主張する譲渡担保設定予約の成立を認めることはできないとして、Xの建物明渡請求を棄却する判決をし、同判決は確定した。

 Yは、2つの前訴で貸金だといいながら、今度の裁判では、貸金ではないと主張されたという、信義則違反の可能性が強い案件です。

 なんで、原審がこんな判断をしたのかは不明です。

 

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