銀行法務21・4月号の「新年度に押さえておくべき営業店における法務のポイント」・1個人顧客への対応編です。弁護士の川村英二先生が執筆されています。
(京都大徳寺)
① 「約款に関する対応」で、質問は、「個人顧客との間で、総合口座取引等、約款を含む取引を開始する際、どのような説明をしておく必要があるのか(Q1)。また、約款の内容が変更される場合、営業店でどのような対応をとることが考えられるのか(Q2)。」です。
→Q1 「金融機関窓口においては、取引開始時において「定款約款」となる規定を顧客に交付したうえで、当該「定型約款」が取引に適用される旨、説明することを忘れてはならない。」
(参考条文)
民法第548条の2 定型取引を行うことの合意をした者は、次に掲げる場合には、定型約款の個別の条項についても合意したものとみなす。
2 定型約款を準備した者があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき
→Q2 「一般的な周知方法としては、営業店において顧客に対し個別の通知を出す必要はなく、金融機関としてホームページ上で定型約款の変更を告げ、その内容および効力を生ずる時期を開示することで足りると考えられる」
(参考条文)
民法第548条の4 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意することなく契約の内容を変更することができる。
② 「取引解約時の対応」で、質問は、「定期預貯金について、顧客から満期日前解約の申出があった場合、金融機関はどのように対応することになるか」です。
→ 「各金融機関は定期預貯金規定において定期預貯金の満期日前解約の制限の明確化を図るべく、「この預金(定期預貯金)は、当行(金融機関)がやむを得ないと認める場合を除き、満期日前に解約することはできない」旨の規定を盛り込み、金融機関が任意に認める場合以外には、預貯金者からの定期預金の満期前解約ができないことを明確にして、債権法改正への対応を図っている。」
(参考条文)
民法第666条 3 第591条第2項及び第3項の規定は、預金又は貯金に係る契約により金銭を寄託した場合について準用する。
③ 「相続への対応」で、質問は、「預貯金の名義人が死亡し、相続人間で遺産分割協議が未了の間に、相続人の一人から預貯金につき法定相続分の払い戻しの請求があった場合、どのような対応をとることになるか」です。
→ 「金融機関が、共同相続人の一人から、民法909条の2に基づく預貯金の一部払い戻し請求を受けた場合、払い戻しの上限金額を算定するため、当該共同相続人の法定相続分を確認しなければならず、被相続人が死亡した事実及び相続人のは範囲を確認するための資料として、戸籍謄本、除籍謄本、全部事項証明書、法定相続情報一覧表図等の提出を求めることになる」
④ 「遺言への対応」では、質問は、「預貯金の名義人が死亡し、当該預貯金に関して相続人の一人に相続させる旨の遺言がなされているときに、遺言執行者から預貯金の解約申し入れがなされた場合、金融機関としてはどのように対応することになるか。」です。
→ 「当該遺言執行者から預貯金の払い戻しに対し、当該特定の相続人が相続する額の範囲内でこれに応じることとなり、当該預貯金債権の全部を特定の相続人に相続させる内容となっている場合においては、遺言執行者からの当該預貯金全額の払い戻し請求ないしは預貯金契約の解約申し入れに応ずることとなる。」
以上が、民法改正についての部分からの引用です。
弁護士の場合、相談やご依頼事件がないと、当該部分の法律についても勉強しにくいですが、民法は基本法なので、相談などにかかわりなく勉強しておく必要がありますね。
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