判例時報No2429号の東京高裁平成30年11月22日付判決です。
(今治・来島海峡大橋)
被告は、全国各地で会員制のスポーツクラブを運営し、従業員数は1万3000名程度、そのうち、正社員は1000名程度の大きな会社のようです。
管理監督者といえるかどうかは、次の3点で判断されることが通常です。
第1に、当該労働者が実質的に経営者と一体的な立場にあるといえるだけの重要な職務と責任、権限を付与されているかどうか。
→支店長は、支店の運営管理全般について責任者としての職責を担うとともに、従業員の勤務シフトの決定や販売促進活動の企画・実施等の権限を有しているが、
→提供する商品及びサービスの内容の決定は被告の直営施設運営事業部が行っており、アルバイトの採用や解雇、販売促進活動の実施、出捐を伴う設備の修繕や備品の購入等について被告の決愛を要し、運営モデル等に極力そった労務管理が要請されるなど、支店の運営管理に関する支店長の裁量は相当程度制限されていたとして、経営者と一体的な立場にあるといえるだけの重要な職務と責任、権限を付与されていたとは認められない。
第2に、自己の裁量で労働時間を管理することが許容されているか。
→支店長も一般の従業員と同様、年間の総労働時間が定められ、かつ、各月の労働時間数が一定の範囲に収まるように事前に勤務計画を立てて、被告に対して報告するとともに、タイムカードの打刻及び勤怠管理システムへの入力等により日々の出退勤時刻や実労働時間を報告するよう指示されるなど労働時間の実態把握や健康管理上の必要を超えて労働時間の管理が一定程度行われていたほか、管理業務のみならずフロント業務やインストラクター業務にも日常的にも携わらざるを得ない状況にあり、恒常的に時間外労働を余儀なくされていることなどから、支店長が自己の裁量で労働時間を管理することが許容されていたとみることは出来ない。
第3に、給与等に照らし管理監督者としての地位や職責にふさわしい待遇がなされているか?
→原告は、支店長として月額5万円の役職手当を付与されていたが、支店長の勤務実態に照らすと、月額5万円の役職手当の支給のみをもって管理監督者としての地位や職責にふさわしい待遇がされているとはいいがたいとしました。
その結果、管理監督者には該当せず、時間外手当を支払わなければならなくなりました。
代理人をみると、いずれも、労働法で有名な弁護士さんが関与されています。
原告が支店長の職にあった支店は、総床面積約2175㎡、従業員43名の、会員数2347名、年間売上約2億6000万円の大型店舗だったようです。
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