【金融・企業法務】 通貨オプション取引につき、適合性原則違反はなく、金融機関の担当者による説明義務違反等もなかったとして、不法行為責任が否定された事例
金融法務事情No2126号で紹介された東京地裁平成31年1月30日判決です。
判決要旨は以下のとおりです。
① 金融機関の担当者による勧誘行為が適合性の原則から著しく逸脱していることを理由とする不法行為の成否に関し、顧客の適合性を判断するにあたっては、具体的な商品の特性を踏まえて、それとの相関関係において、顧客の取引経験、取引についての知識、取引意向、財産状態等の諸要素を総合的に考慮する必要があるところ、本件取引の仕組みは、将来の為替変動の予測が当たるか否かのみによって結果の有利不利が左右されるものであって、その基本的な構造ないし原理自体は、少なくとも企業経営者や一定の取引経験や知識を有するものであれば十分に理解することができ、
原告は、本件各契約を締結する以前に本件取引と同じ基本的な仕組みを有する取引を含む、多数の為替デリバティブ取引を経験していたことなどを考慮すると、原告が本件の各契約締結のリスクを負うことに何らかの問題があるとは認められず、本件取引についての適合性に欠けるところはないというべきである。
② 被告の担当者は、原告の担当者に対し、必要な説明事項を記載した提案書に記載された事項を説明したものと認めるのが相当であり、その説明を受けた原告の担当者は、被告の担当者の説明内容を理解する能力を有していたものと評価され、被告の担当者は、本件取引の勧誘に際し、原告が本件各取引の実情を理解した上で本件各契約を締結したものと認めるのが相当である。
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