【金融・企業法務】 預貯金債権の相続に関する諸問題 金融法務事情No2084号 続
昨日の続きです。
⑤ 被相続人の債権者 による差押え
→ 被相続人の債権者は、全相続人が有する預貯金債権上の準共有持分を差し押さえ、当該預貯金を取り立てることができる。
⑥ 相続人の債権者 による差押え
→ 相続人の債権者は、相続人が有する預貯金債権上の準共有持分を差し押さえることが可能であることについては、異論がないと考えられるが、準共有持分割合に応じた取立は、預貯金の一部払い戻しを同じであるから、許されない。
→預貯金債権上の準共有持分の差押えにおける強制執行の手続きについては、金銭の支払を目的とする債権に対する強制執行の手続によるのか、「そのほかの財産権」に対する強制執行の手続によるのかは議論があるが、いずれにしても、差押債権者は、天付命令または譲渡命令を得て準共有持分を取得し、その後共有物分割訴訟を提起するなどして当該準共有持分を換価するか、売却命令を得て準共有持分を売却して換価することになるものと思われる。
⑦ 金融機関の預貯者に対する債権と、預貯金債権との相殺の可否
A 共同相続人側からする相殺
→許されない
B 金融機関側からする相殺
B1 被相続人に対する債権を自働債権とする相殺
→相続開始前に相殺適状に有った場合は、相殺可能
B2 相続人に対する債権を自働債権とする相殺
→見解が対立

(小田原城・堀切)
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