【金融・企業法務】 金融機関の預金口座が「犯罪利用預金口座」(振り込め詐欺救済法2条4項)に該当しないとされた事例
金融法務事情No2063号で紹介された大阪高裁平成28年11月29日判決です。
判決要旨は、以下のとおりです。
金融機関の預金口座につき、名義人が第三者のための振り込み口座として使用させたことがあり、当該第三者がかって生活保護費の不正受給をしていたとしても、当該預金口座は、「犯罪利用預金口座等」に該当しない。
解説では、振り込み詐欺についての救済方法についての説明が掲載されており、参考になります。
振り込め詐欺救済法は、預金口座等が振り込め詐欺等の犯罪に用いられている疑いがあるときに、金融機関が当該預金口座等に係る取引を停止する措置を執り、預金保険機構による公告を経て当該預金口座を失権させ、さらに預金保険機構による公告を経て、これを原資として被害回復分配金の支払いを行うという法律です。
振り込め詐欺救済法に関連する手続きの具体的な運用は、銀行界のガイドラインで定めることとされ、実際に全国銀行協会によりガイドラインが作成され運用されています。
振り込め詐欺救済法3条1項は、金融機関が、当該金融機関の預金口座等の不正な利用に関する情報の提供があることその他の事情を勘案して犯罪利用預金口座等である疑いがあると認めるときは、当該預金口座等に係る取引の停止等の措置を適切に講ずるものとされています。
全銀協ガイドラインは、取引停止を行うべき場合として、4つの場合を例示しており、その1つに、捜査機関等から当該預金口座等が犯罪利用預金口座等として使用されている旨、書面または電話等により通報された場合を掲げています。そして、ここにいう捜査機関等には、警察、金融庁、消費生活センターなど公的機関のほか、弁護士および認定司法書士を含むとされています。ただし、弁護士からの通報は、日弁連制定の統一フォームによることとされています。
預金名義人からの権利行使については、消滅手続の開始に係る広告をすることになるが、所定の期間内に預金名義人から払戻しの訴えが提起された場合など一定の場合には消滅手続は終了し、払戻しの訴えなど既存の制度を用いた解決策によって解決が図られることになります。

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