【金融・企業法務】 仮差押えと法定地上権 最高裁平成28年12月1日判決
金融法務事情No2065号で紹介された最高裁平成28年12月1日判決です。
判決要旨は以下のとおりです。
地上建物に仮差押えがされ、その後、当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人がその所有権を取得した場合において、土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一所有者に属していたときは、その後に土地が第三者に譲渡された結果、当該強制競売手続における差押えの時点では、土地及び地上建物が同一の所有者に属していなかったとしても、法定地上権が成立する。

民事執行法81条の法定地上権の成立に係る要件のうち、土地及び建物が同一所有者に属するとの要件(所有者要件)の基準時が問題となりますが、通説や民事執行実務は、差押時を基準時としております。その上で、仮差押えがある場合に、従前どおり差押え時説をとるか、それとも、仮差押えがある場合には基準時を仮差押え時に修正する仮差押え時説との対立があるようですが、最高裁は、仮差押時説を採用したわけです。
余り遭遇することはないと思いますが、田舎弁護士の事務所では比較的民事保全の依頼が多いので、押さえておく必要があると思いました。

(栗林公園)
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