【金融・企業法務】 相続預貯金の遺産分割に関する家裁実務
金融法務事情No2065号の特集・相続預金の理論と家裁実務の中で、あの片岡武裁判官等の裁判所の実務家の執筆によって、判タ1418号の「東京家裁家事5部における遺産分割事件の運用」について、最高裁平成28年12月19日決定を受けて、その運用を変更すべき必要が生じたために、家事5部で検討した結果が報告されていました。
具体的な内容については、金融法務事情を購入して読んでみていただければと思いますが、当たり前のことですが、ある財産が遺産分割事件において、分割対象となるためには、原則として、①被相続人が相続開始時に所有し、②現在(分割時)も存在する、③未分割の、④積極財産であるという、4つの要件を満たす必要があるということです。
従来、預貯金については、全相続人が合意すれば、調停と信販で扱えますということでしたが、最高裁決定以降は、調停でも審判でも当然に扱うことができますと変更がなされました。
変更前は、例えば、法定相続分に応じた払戻しを許容する金融機関はむしろ増加しつつあったのですが、今回の裁判所による判例変更により、法定相続分に応じた払戻しに大きなリスクが生じることになったことから、例えば、共同相続人において被相続人が負っていた債務の弁済をする必要がある場合等に不都合が生じるのではないかと指摘され、これについては、仮分割の仮処分の活用が説示される等されていました。

(徳島城・庭園)
仮分割の仮処分については、あまり書式等はなかったのですが、今回の金融法務事情では、書式や運用等についての説明がなされており、十分に活用することができそうです。
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