【金融・企業法務】 株主総会の招集に際し、株主への監査報告の提供がなかったとして、株主総会決議の取り消しが認められた事例 東京地裁平成27年10月28日判決
判例時報No2313号で紹介された東京地裁平成27年10月28日判決です。
本判決は、法定備置書類の本店への備置き(会社法442条1項1号)や株主によるその閲覧、謄本の交付(同条3項)は、株主の株主総会への準備を目的とした定時株主総会招集手続の一環であり、その懈怠は原則として決議取消原因に当たると判示しました。
その上で、本件株主総会の招集通知に際して提供されるべき事業報告が欠けていたこと、また、計算書類の附属明細書の閲覧、謄本の交付要求が拒絶され、法定備置書類の備置きの不備があったことについて、本件株主総会の招集手続における瑕疵に当たるとしました。
そして、決算に関する監査報告書の記載は、株主が決算を承認するか否かを判断するに当たって重要な参考資料となるところ、第35期の決算に関して作成された監査報告書には、現在の会社の対応では監査不能である旨が記載されているのみであり、実質的には監査報告の提供があったとはいいがたいと指摘し、このことも踏まえれば、第35期の計算書類の承認に関する株主の実質的な準備は不能であったというべきであるとしました。
そして、本件株主総会の招集手続における瑕疵は重大であるとして、決議への影響の有無を論ずるまでもなく本件決議は取り消されるべきと判断しました。

(モトブオリオンリゾート)
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