【金融・企業法務】 東芝不正会計問題 No2
昨日の続きです。
第6に、ガバナンス粉飾を挙げています。
東芝は、2000年に任意の指名及び報酬委員会を設置し、委員会設置会社(現在の指名委員会等設置会社)の制度が導入された2003年から委員会設置会社に移行するなど、長年にわたりコーポレートガバナンスの優等生として一目置かれてきた。本件で、歴代経営トップによる会計不正が発覚し、7会計年度にわたり合計2248億円の過年度決算を修正し、特設注意市場銘柄に指定され、会社が元役員5名を提訴する事態となり、株価が大きく下落したことは、これまでコーポレートガバナンスの優等生と目されてきたこととの落差があまりにも大きく、資本市場に大きな衝撃と失望を与えたと指摘されています。
第7に、監査機関の機能不全を挙げています。
東芝には、①経営監査部、②監査委員会、③会計監査人が存在したが、いずれも有効に機能しなかったことが指摘されています。
監査委員会については、次のような指摘があります。
「ある監査委員は、監査委員長に対して、2015年1月、3月、4月の3回にわたり、PC事業再編の件の会計処理の問題を申し出たが、監査委員長はこれを受け入れず、4月には、今頃事を荒立てると決算に間に合わなくなって最悪の事態になる等の意見を述べて何ら対応しなかった。この監査委員長は、会計不正に手を染めていたCFOが横滑りして就任したものであり、セルフ監査となって監査の実効性が骨抜きにされた。この点、上場会社の常勤監査役は、管理部門の担当役員や部長からの横滑りであることが少なくないと思われることから、セルフ監査となって監査の実効性が損なわれるリスクがあることを認識しておく必要がある。また、監査委員会には過半数の社外取締役が存在するから、社外取締役に会計不正の問題意識が適時適切に伝われば、社外取締役はその問題を解明するために行動を起こし、そこから健全なカバナンス機能が起動した可能性がある。しかし、実際には、社外取締役には問題意識が伝わらなかったようで、社外取締役が本件についてガバナンス機能を起動することはなかった。」と説明されています(P48~P49)。
田舎弁護士も、肝に銘じておく必要があります。

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