【金融・企業法務】 有価証券報告書等に虚偽記載がされている上場株式を取得した投資家が当該虚偽記載がなくともこれを取得した場合における、右投資者に生じた損害額
判例時報No2283号で紹介された大阪地裁平成27年7月21日判決です。
判決の概要は以下のとおりです。
① 本判決は、民法709条に基づく請求の損害額の算定について、本件がいわゆる高値取得ケースであることを前提に、次のとおり判示しております。
② 高値取得損害ケースにおける損害額に関する一般論
高値取得ケースにおける株主の損害額は、株主が現に支出したものを前提に考えるべきであり、株式取得のために実際に支出した金銭等の額と虚偽記載がなかったとした場合の取得時点での株式の価値との差額が損害となる。
ただし、これを直接認定することはできないので、虚偽記載の公表前後の市場価額の下落幅等を参考に推計することになる。
③ 民訴法248条の適用
本件の証拠関係の下では、取得時点での株式の価値を認定することは困難であり、本件では、損害は発生したことが明らかであるが、損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときに当たるから、民訴法248条を適用して相当な損害額を認定するのが相当である
その上で、Y社の本業の業績及び本件虚偽記載の内容等を踏まえて、本件虚偽記載と相当因果関係のある株価下落分の8割に相当する額を、相当な損害額と認定しました。
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