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2015年8月 2日 (日)

【金融・企業法務】 株式譲渡契約における表明保証

 金融法務事情No2021号で紹介された実務解説最新M&A判例の記事です。

 株式譲渡契約における表明保証とは、一般的に、契約当事者の一方が、他方の当事者に対し、自らまたは株式譲渡の対象たる会社の権利関係や事実状態について明らかにし、これが客観的な実態と異なっていた場合には、損害賠償や解除等の契約上の他の効果が生じるものといいます。

 今回の解説は、東京地裁平成23年4月15日判決(コミュニティ・スクエア事件)を題材に、実務上のポイントとして2点指摘しております。

 ① 株式譲渡契約における表明保証のうち、一定の基準に該当する重要な契約の不存在に関する表明保証について、売主があらかじめ「開示」したものを表明保証の対象から除外する旨の規定が存在する場合において、

 開示の内容や方法について特段の規定がないことから、

 対象会社が締結している契約の存在及びその内容等の概要を口頭で開示すれば足りるとしました。

 ② 「財務諸表の作成基準日以降、対象会社の財政状態、経営成績、キャッシュフロー、事業、資金、負債又は将来の収益計画に悪影響を及ぼし、又はその虞のある事由若しくは事象は発生していないこと」という表明保証について、「事由若しくは事象」の対象を買主が認識し得ないものに限定しました。

 もっとも、前記の判決に対しては、解説者は、原則として、表明保証責任の成否に買主の主観は影響しないと考えるべきであり、そのような観点からは、本判決の判断にはやや疑問が残るところであるとコメントされています。

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