【金融・企業法務】 預金の消滅時効
銀行法務21・7月号の「営業店からの質疑応答」で取り上げられたテーマです。
質問は、以下のとおりです。
「甲銀行の預金取引先Aについて相続が開始し、Aの配偶者BがAの自動継続定期預金証書と届出印を持参して、葬儀費用等の支払いに使用するとして払戻請求をしてきました。調査すると、当該定期預金の預入日は20年以上も前であり自動継続の回数に制限はないものでしたが、甲銀行の帳簿には存在せず払戻関係書類は発見できません。このような場合、甲銀行に払戻義務はあるのでしょうか。また、消滅時効を主張できるのでしょうか。」
20年も経過した古い預金なので、時効消滅しているのではないかと考える方も少なくないと思います。
銀行預金の場合、消滅時効は5年とされています(意外と短いですねえ。)。
もっとも、これでは預金者は怖くて仕方がないので、定期預金元帳等の帳簿でその存在が確認できる場合には、一般的な銀行は、消滅時効を主張することなく、払戻請求に応じているとのことです。
問題は、甲銀行の帳簿には存在しない場合です。
自動継続の回数に制限がない場合の預金払戻請求権の消滅時効は、最高裁平成19年4月24日判決によれば、預金者による解約申し入れがなされた時からになりますので、このケースの場合には、消滅時効はきていません。
そうすると、甲銀行は、結果として、払戻請求を拒否するのは難しいことになりそうです。
そのため、解説者の先生によれば、金融機関の対応として、「紛失等の事由により定期預金証書を再発行する場合は、自動継続の特約の有無にかかわらず、当該再発行の関係書類は永久保存扱いとすることが実務上不可欠といえます」と説明されています(同書P71)。
気をつけていきましょう。
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