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2015年7月 7日 (火)

【金融・企業法務】 MBOの場面での会社と取締役の利益相反関係

 金融法務事情の2020号で、MBOの場面での会社と取締役の利益相反関係が問題となった神戸地裁平成26年10月16日判決が取り上げられていました。

 神戸地裁平成26年10月16日判決は、MBOを実施する取締役は、善管注意義務の一環として、企業価値の向上に資する内容のMBOを立案、計画した上で、その実現に向け、尽力すべき義務を負っているところ、

 かかる義務に由来するものとして、MBOに内在する取締役と株主との間の利益相反関係や情報の非対称性等に照らし、公開買付価格それ自体の公正さに加え、その決定プロセスにおいても、利益相反的な地位を利用して情報量等を操作し、不当な利益を享受しているのではないかとの強い疑念を株主に抱かせぬよう、その価格決定手続の公正さの確保に配慮すべき義務(手続的公正性配慮義務)を負っているものとしました。

 本件においては、買収者側で提示した価格ありきを前提に、利益計画の数値やA社側の株価算定方法を操作することにより、買収者側とA社側の株価算定結果を近づけようとしてYが指示を行ったことは、A社の株主に対し、公開買付価格の決定手続において、Yが利益相反的な立場を利用して情報等を操作して利益を得ようとしているのではないかとの重大な疑念を生じさせる行為であり、公開買付価格の決定手続の公正さを大きく害する行為であるから、手続的公正性配慮義務に違反するものであると結論づけました。

 MBOについては、平成19年9月に経済産業省から、MBO指針が出ています。MBOを取り扱う際には、この指針に反しないよう注意を払う必要があります。

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