【金融・企業法務】 デッド・リストラクチャリングのための各手法の比較検討 DES
引き続き、 DES・DDSの実務(第3版) の勉強です。
DESって、最近、田舎弁護士にとっても身近な言葉になっています。
DESとは、債権者が債務者に対して有する債権を債務者の株式と交換することをいいます。
DESのメリットは、以下のように整理されています(実務P136~P137)。
「DESによっても債権放棄と同様、債務は完全に消滅するため、 ①債務者は過剰債務を解消し、有利子負債を削減することができるため、これにより債務者の信用が高まり再建可能性が高まる。DES
DESの場合、債権放棄に比べると事業価値の毀損や信用の低下が生じないともいえる。
②DESを行った債務の元利金返済がなくなるため、資金繰りも改善される点、資金繰りが改善することにより、他の借入金の返済能力が向上し、③他の借入金についても不履行となる危険性が減少する点も、債権放棄と同様である。
債権放棄と大きく異なるのは、DESにより、債権者は債権よりもリスクの高い株式を取得するが、債務者が再建に成功した場合、④債権者は再建よりも高いリターンを得ることが可能となる点である。
また、債権放棄の場合、債務者のモラルハザードの発生の可能性が大きな問題となるが、DESの場合には、デッドからエクイティへの転換という債権者のいわば投資スタンスの変更であるといえ、債務者に対する一方的な利益供与とならないため、⑤債権放棄と比較して債務者のモラルハザードを一定程度防止することができる。
このほか、⑥配当収入の確保、⑦議決権付株式を保有する場合、債務者の経営に対する監督・関与を確保することができる。
合理的な再建計画に基づいてDESを実行し、これにより債務超過が解消され財務状態が改善するのが通常であることから、⑧DES後の残再建についての債務者区分を上位遷移することが可能となるのは、債権放棄の場合と同様である。」
もっとも、中小企業の場合、通常株式に流通性がなく、株式の売却によりキャピタルゲインを得られる可能性が少ないために、債権者にとってDESを実行するインセンティブが働きにくいようにも思われます。DESによって、配当収入の確保ができそうな業績のよい中小企業の場合くらいでしょうかね。
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