【流通】 輸入業者が輸入食品である冷凍ラズベリーにおける農薬の残留基準値を超過していないことを確認すべき義務を怠ったとされた事例 東京地裁平成24年3月21日判決
判例タイムズNo1405で紹介された東京地裁平成24年3月21日判決です。
本判決は、食品安全基本法や食品衛生法を参照しつつ、Yが輸入元に対して最も残留農薬を確認しやすい立場にあることから、Yは、食品の安全性を確保するために必要な措置を適切に講ずる義務の一環として、輸入した冷凍ラズベリーの残留農薬について、残留基準値を超過していないことを確認すべき義務を負うとしました。
その上で、Yが、コンテナ入荷後、冷凍ラズベリーのサンプル検査を実施したところ、残留基準値いっぱいの農薬が検出されており、他の冷凍ラズベリーに残留基準値を超える農薬が存在する可能性が十分に考えられるから、Yは、少なくとも、当該冷凍ラズベリーの再検査を実施すべき義務があったにもかかわらず、これを怠ったという過失を認定しています。
この判決の特徴は、Yの注意義務の存在を判示するにあたり、行為規制である食品安全基本法や食品衛生法に触れていることです。
同種の裁判例は少ないようなので、参考にしたいと思います。
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