【金融・企業法務】 顧客が銀行の店舗出入口の敷設された足拭きマットがまくれ上がって転倒した場合に、同マットが床面上を滑りやすい状態で敷設されていたとして、損害賠償が命じられた事例 東京高裁平成26年3月13日判決
判例時報No2225号で紹介された東京高裁平成26年3月13日判決です。
Xは、銀行のATMを利用した後、ATMコーナーの出入口に向かいました。
その床には足拭き用のゴムマットが敷設されていたが、その裏面は水に濡れた状態でした。
Xが本件マットの向かって左側の端から10~20㎝の位置に右足を乗せたところ、本件マットがXの右足を乗せたところ、本件マットがXの右足を乗せたまま中央部に向かって横にずれたため、バランスを崩し、Xは、身体の左側を下にして本件マットもろとも滑り込むような体勢となって転倒し、左側頭部が出入口のガラスドアに当たって、怪我をしたという事案です。
第1審は、Xが本件マットの端に躓いて転倒したことやXが本件マットの手前で体勢を崩しながら足を前方に踏み出したことなどによって本件事故が発生した可能性も否定できず、本件事故は専らXの不注意で発生した等として請求を棄却しました。
第2審は、Xが右足をマットに乗せたことによって斜め上部方向からの力が働き、その一部が床面との摩擦抵抗を失って横に移動し、そのため、Xが身体のバランスを崩して転倒したと認められると判示した上で、出入口に敷設されている本件マットは、顧客がその上を通常の態様で歩行するに当たって加えられる力により本件床面上を滑ることがないよう整備しておくことが認められるところ、本件事故の態様から、本件マットは床面上を滑りやすい状態で敷設されていたから、Yには注意義務違反があるとして、原判決を取り消しました。
店舗等で滑って怪我をするというケースは、判例時報でも時折紹介されます。今後の勉強のために、その都度、コピーしてファイルにとじています。
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