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2014年5月20日 (火)

【金融・企業法務】 金融機関の融資謝絶をめぐる法的諸問題

 金融法務事情No1993号で紹介された「金融機関の融資謝絶をめぐる法的諸問題」という論文です。最近の26裁判例を分析しているものですが、大変参考になります。

 解説者によれば、融資謝絶事案における不法行為責任又は契約締結上の過失責任についての考え方として、以下のような指摘をされています。

 ① 不法行為責任か契約締結上の過失責任かを問わず、先行行為型と成熟型に分類することができます。

 ② 先行行為型と成熟型は排斥しあうものではなく、両者はそれぞれ別個に契約準備交渉段階における当事者の責任の基礎となり得るものです。従って、各事案において、両方の視点から責任の有無を検討する必要があります。

 ③ 先行行為型で金融機関の責任が認められるためには、(1)顧客の融資実行への信頼を誘発する金融機関の先行行為や、(2)顧客の準備行為や損害に関する金融機関の認識等の付加的事情が認められること、(3)融資謝絶に正当理由が認められないことが必要です。

 ④ 成熟型で金融機関の責任が認められるためには、(1)手続の進捗等の客観的事情や金融機関の認識も考慮に入れて、融資契約締結が確実となり、顧客に融資契約成立に向けた「期待権(経済的利益)」が認められること、(2)融資謝絶に正当理由が認められないことが必要です。

 ⑤ 損害については、信頼利益の範囲にとどまり、逸失利益等の履行利益には及びません。

 ⑥ 過失相殺については、顧客側の落ち度(損害発生・拡大に寄与した事情)が広く取り上げられています。

 なお、先行行為型とは、一方当事者が他方の信頼を誘発する一定の態度(先行行為)を示し、相手方がその態度を信頼して準備行為や先行投資に着手した場合をいいます。

 また、成熟型とは、契約締結が確実となった段階、つまり、具体的な契約内容が定まり契約締結交渉が大詰めにいたり、相手方が契約成立の期待権(期待的利益)を有するに至ったと評価してもよいほどに形式的詰めを残すだけになった場合をいいます。

 金融機関の融資謝絶事案については、私自身は経験したことがありませんが、今後の経済情勢や政府の方針等によっては融資謝絶がトラブルに発展するケースも予想されることから、最低限の知識は得ておく必要がありますね。 

 

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