【流通】 コンビニの店舗内で顧客が転倒受傷した事故につき、コンビニの経営者に過失がないとして、顧客のコンビニ経営者に対する損害賠償請求が棄却された事例 平成25年11月29日名古屋地裁判決
判例時報No2210号で紹介された裁判例です。
本件は、顧客Xが本件コンビニエンスストアの店内で、折からの降雪により店内の床が濡れていたため転倒し受傷したとして、この事故は、同店の経営者が店内の床を乾いた状態に保持すべき注意義務を怠ったために発生したと主張された事案です。
裁判所は、Xの請求を認めませんでした。
Xの転倒事故の原因は、Xが出入口のマットで草履の底面に付着した雪を十分に拭かなかったことにあり、経営者であるYらとしては、来店者がそれぞれ靴底の状態に応じて外マット及び内マットでそれに付着した雪を拭くものと信頼してマットを設置したものであるから、それ以上に特別のマットを設置する等の措置を講じるまでの注意義務はないと判断しました。
裁判所はいいことを述べています。
軽率な来店者が多いからといって、コンビニエンスストア等の店舗がそれらの軽率な行動を予見して、万全の措置を講ずる注意義務を一方的に負わされるというのは、軽率な来店者が転倒事故のリスクを何らの負担もなしに店舗側に転嫁できるということにほかならず、衡平にかなうところではない
軽率な行為の結果は、自己責任というのは当然のことです。
最近は周囲への転嫁を求めようとすることが少なくないように思いますが、自己責任ということを肝に銘じておくべきです。
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