【交通事故】 自賠責1級1号を残し約2年6ヶ月後に死亡の72歳男子の自賠責9級10号既存障害は死亡への寄与度を30%と認めた
愛媛の弁護士の寄井です。
さて、今回は自保ジャーナルNo1906号で紹介された東京地裁平成25年6月14日判決です。
判決要旨を紹介いたします。
① 交差点の横断歩道を歩行中の自賠責9級10号のパーキンソン病を有する72歳男子Aは、被告右折貨物車に衝突され、左下肢切断等から自賠責1級1号後遺障害を残し、約2年6ヶ月後に死亡した事案につき、
Aは、「本件事故により、左腓骨開放性粉砕骨折等の傷害を負い、左下肢切断手術を施行されたが、本件事故から約1ヶ月後に入院先の病院で嚥下障害を生じ、その後嚥下性肺炎を引き起こし、胃ろう増設手術が施行され、本件自宅へ一時帰宅するなどしたが、本件事故の約2年6ヶ月後に、再入院先の病院で急性肺炎で死亡した」とし、
「Aの既存障害であるパーキンソン病と本件死亡等との間には相当因果関係があることが認められる」と認定しました。
② Aの死亡等に与えた既存障害の寄与度について、
「パーキンソン病が通常数年の経過で緩徐に進行することからすれば、本件事故時の症状もステージ2ないしステージ3程度であったと推認できること、
Aは本件事故当日も杖を持たずに1人で散歩をしていたことからすれば、本件事故当時におけるAのパーキンソン病による既存障害の程度を9級10号程度と認めるのが相当である。
そして、このようなAの障害の程度、本件事故前に口径摂取の制限がされていた事実や嚥下障害及び嚥下性肺炎の兆候が見られないことに鑑みれば、既存障害であるパーキンソン病が本件死亡等に与えた寄与度は3割とするのが相当である。」
と認定しました。
A自身の損害としては、約7200万円の請求をしていますが、裁判所は、わずか43万円程度の賠償しか認めていません。
高齢者の死亡事案は、持病等もあることから、持病との因果関係や素因が問題となり、このような結果になってしまうこともありますので、被害者側で依頼を受ける弁護士は、依頼人に対してきちんと説明しておく必要があるでしょう。













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