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2013年11月17日 (日)

【労働・労災】 社会福祉法人が従業員に対してなした解雇処分が解雇権濫用に該当する場合に、同法人の役員である理事長や理事ら個人に対する不法行為責任が認められた事例 福岡地裁飯塚支判平成25年3月27日判決

 判例時報No2195号(10月21日号)で紹介された福岡地裁飯塚支判平成25年3月27日判決です。

 判旨の概要は以下のとおりです。

 知的障害者授産施設を運営する社会福祉法人が、同施設利用者らの保護者の大多数が署名押印した同法人との翌年度の契約を締結しないとする申出書の提出を受け、同施設を廃園としてその従業員らを解雇した処分に対し、

 従業員らに対する、同法人の理事長、理事ら及び保護者会会長に対する損害賠償責任が認められ、

 同法人の監督官庁であった県に対する損害賠償責任が否定されました。

 被告県の責任については、以下のような基準を定立しています。

 判旨を引用いたします。

 社会福祉法は、福祉サービスの利用者の利益保護及び地域における社会福祉の推進等を図る手段として、社会福祉事業従事者の処遇、すなわち労働条件や労働環境等を改善することもその趣旨及び目的としているが、

 これは、福祉サービスの利用者の利益の保護や地域における社会福祉の推進等という、より高次の目的達成のための手段にとどまるものであるから、

 これに対応して、社会福祉事業従事者の労働条件や労働環境等の改善に関し、所轄庁に付与されている権限も、指導及び助言にとどまり、不当労働行為の存否や解雇の有効性等の個別の労働問題についての公権的に介入する権限までは付与されていない。

 そうすると、被告県に社会福祉事業者の労働条件や労働環境等に配慮する義務があるとしても、その内容・程度は相当に限定的なものといわざるを得ず、

 被告県が、社会福祉法人の労働条件や労働環境等に問題があることを認識しながら、社会福祉法91条に基づく指導又は助言を行うことなく放置し、かえって問題状況を容認してこれを助長する処分を行うがごとき特段の事情がない限り、同義務に違反することを理由として、被告県の行為が不法行為を構成することはない(引用終わり) 

 似たような事案で、県の責任を追及される方がいますが、県に責任を負担させるのであれば、やはり、この裁判例が指摘しているような特段の事情が必要だろうとは思います。 

 

 

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