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2013年11月19日 (火)

【労働・労災】 学校法人の理事と従業員である教授の地位を併有する者の従業員としての退職金不支給事由の範囲

 判例タイムズNo1392号(2013.11号)で紹介された東京高裁平成24年3月7日判決です。

 本判決の概要は以下のとおりです。

 ① 退職金不支給事由の有無

 本件退職金規程の退職手当の支給制限の定めには、教職員が理事を兼務し、理事としての義務違反があった場合の退職金不支給等については何ら定めるところがなく、そもそも理事などの役員について言及していない。

 当該規定は、教職員が、懲戒解雇処分は受けないまでも、懲戒解雇事由に準じる非違行為である「不都合の所為」により退職する場合には、退職金を支給しないか減額することができる旨を定めるものである。そうすると、この規定が、懲戒解雇があった場合に準じる場合を定めるものである以上、「不都合の所為」とは、懲戒解雇の対象となりうる従業員(教職員)の行為に限られ、その対象になり得ない理事の行為を含まないと解するのが相当である。

 したがって、Yの理事としての善管注意義務違反の行為が、従業員としての退職金の不支給事由に当たるという主張は失当である。

 ② 権利濫用

 退職金が功労報償金的性格と賃金の後払い的性格とを併有していること、Yの本件投資への関与は受動的なものであったこと、Yが本件投資について道義的責任を認め、役員退職慰労金を自主返上する等していること、Yが30年以上も教職員として勤務し、かつ重要な役職をつとめ、その間、教職員として非違行為はなかったこと等からすると、本件請求が権利濫用に当たるとは認めれない。

 第一審は、結論としては同じなんですが、理事としての行為でも、背信性の程度によっては、すなわち、従業員として永年の勤続の功労を抹消するほどの重大な事由については、退職金不支給事由にあたるという見解をとっていたようです。

 これに対して、本判決は、本件退職金規程の規定ぶりを検討した上で、懲戒解雇の対象とはならない理事の行為は従業員としての退職金不支給事由には当たらないと考えています。

 同じ結論の場合でも、考え方が異なっているんですねえ~ 

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