【流通】 ガイドライン案 「消費税の転嫁を阻害する行為等に関する消費税転嫁対策特別措置法、独占禁止法及び下請法上の考え方」 No2
ガイドラインP6~8は、「3 買いたたき(第3条第1号後段)」の解釈を示しています。
「買いたたき」は、平たくいえば、商品又は役務の対価について、合理的な理由なく通常支払われる対価よりも低く定める行為を言います。
「減額」は露骨ですから、「買いたたき」の方がより多く発生しやすいのではないかと思います。
「買いたたき」とはならない合理的な理由がある場合として、ガイドラインは、3つ例示しています。
① 原材料価格等が客観的にみて下落しており、当事者間の自由な価格交渉の結果、当該原材料価格等の下落を対価に反映させる場合
② 特定事業者からの大量発注、特定事業者と特定供給事業者による商品の共同配送、原材料の共同購入等により、特定供給事業者にも客観的にコスト削減効果が生じており、当事者間の自由な価格交渉の結果、当該コスト削減効果を対価に反映させる場合
③ 消費税転嫁対策特別措置法の施行日前から、既に当事者間の自由な価格交渉の結果、原材料の市価を客観的に反映させる方式で対価を定めている場合
まあ、消費税増税とは関係のない、代金を減額させる客観的な事情があるような場合にはOKということなのでしょう。
ガイドラインP8~P9は、「4 商品購入、役務利用又は利益提供の要請(第3条第2号)」の解釈を示しています。
なお、商品購入等の要請に該当しない例の1つとして、「消費税率引上げに際して、特定事業者が電子受発注システムを新たに導入し、当該システムの利用を全ての取引先との間で取引条件とするなど、受発注業務のコスト削減のために合理的必要性がある場合に、当該システムを使用させる場合」を挙げています。
システムの利用という役務を要請させていることになるのでしょうが、この行為については許される例示に掲げられていますが、システムを利用させる条件として、利用料を徴収した場合にはどうなるのでしょうか?
許されない利益提供の要請として、「取引先に対して、取引の受発注に係るシステム変更に要する費用の負担を要請する場合」が掲げられていますが、これとの関係が個人的には気になります。
ガイドラインP9~P10は、「5 本体価格での交渉の拒否(第3条第3号)」、同P10~P11は、「6 報復行為(第3条第4号)」の解釈を示しています。
報復行為については、「厳正に対処し、公正取引委員会は、報復行為に該当する行為があると認めるときは、同法第6条の規定に基づき、勧告・公表することとする。」と説明されていますので、注意が必要です。
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