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2013年7月 5日 (金)

【交通事故】 車両損壊による車両保険金請求についても、車両損壊の事実は認められるものの、保険契約者が故意に発生させたものであるとして、保険金請求が否定された事例 大阪高裁平成23年9月28日判決

 判例タイムズNo1388号(2013/07号)で紹介された大阪高裁平成23年9月28日判決です。

 事案は、Xが本件車両を運転中、運転を誤り本件車両もろともため池に突っ込んで水没させたため、本件車両が修理不能の損傷を受けたとして、保険金の支払を求めたのに対して、Yが、本件事故はXが保険金を不正に取得する目的で故意にため池に突っ込んで発生させたものであるから、免責条項に該当するとして支払を拒絶したというケースです。

 判決の要旨は以下のとおりです。

 本判決は、①本件車両及びその入手経路等、②X方からの本件現場までの行程に関するXの供述、③本件現場の状況、④本件事故の状況、⑤本件事故後のXの行動、⑥ため池から引き上げられた本件車両の状況、⑦Xの本件事故状況に関する説明の各事項を認定しました。

 その上で、本判決は、

ア 本件車両の取得に関するXの供述は、実際は低価で購入した本件車両の入手経路や、取得価格を明らかにすることを拒否するための言い訳と取られてもやむをえないものであること

イ Xは本件事故当時、当初からゴルフ用品店に行く予定などなく、本件車両をため池に転落させて、保険金を取得しようという意図があったのではないかというとの疑いを払拭できないこと

ウ Xの運転方法に関する供述は不自然・不合理であって、本件現場に進入した直後に誤ってアクセルを踏んだのではなく、当初から保険金を取得する目的で、ある程度のスピードで進入し、その後スピードを加速させて直進し、故意にフェンスに衝突させてため池に転落させたのではないかとの疑いを払拭できないこと

エ ため池から引き上げられた本件車両の運転席側の窓、運転席のシート、シートベルト等の状況に照らしても、本件事故はXの故意によるものと推定できること

オ 水に溶解するという運転免許証再交付のスタンプのインクの性質に照らせば、Xは本件事故当時、運転免許証を所持していたとは認められないが、このことは、Xが本件車両の水没をあらかじめ分かっていたからではないかという疑いを払拭できないことを

それぞれ認定しました。

 そして、本件事故は、Xが保険金取得目的で故意に発生させたものであると認定し、上記免責条項の適用を認め、Xの控訴を棄却しました。

 いわゆるモラル事案は、最近、少しずつ増えているような印象を受けています。

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