【労働・労災】 病院のリハビリ施設で介護職員が自殺したことにつき、その遺族がこの自殺は加重勤務によるうつ病発症によるものであるとして、病院に安全配慮義務違反があるとして求めた損害賠償請求が認容された事例 甲府地裁平成24年10月2日判決
判例時報No2180号(5月21日号)で紹介された甲府地裁平成24年10月2日判決です。
判決の要旨を紹介いたします。
①自殺前6か月のAの時間外労働時間は99時間30分に及んでおり、特に自殺前1か月の時間外労働時間は166時間を超えていた上、Aの業務量及び精神的負荷の増加をも考慮すると、Aが担っていた業務は過重なものであったと評価することができる
②Yは、Aに従事させる業務を定めて管理するに際して、Aが適切な業務遂行をなし得るような人的基盤の整備等を行うなど労働者の心身の健康に配慮し、十分な支援態勢を整える注意義務を怠ったものと認められる
③証拠上、業務外にAのうつ病の発症及び自殺の原因となる事情が特段見受けられないことなど
を総合すると、Aの業務と自殺との間に因果関係を認めることができるなどと判断して、Yの損害賠償責任を是認しました。
解説によれば、「労働者が自殺した場合、労災保険法に基づき遺族補償給付等を求めるほか、使用者に対し、雇用契約上の安全配慮義務違反に基づいて損害賠償を求める訴訟が増加する傾向にある」と説明されています(P89)。
将来安全配慮義務を労働者やその遺族から問われないよう、十分な支援態勢などを構築しておく必要があります。
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