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2012年11月29日 (木)

弁護士会による取り調べ  判例時報

 高名な刑事法の学者弁護士の先生が横浜弁護士会から国選弁護人等の推薦を一時停止する処分を受けたことに対して、処分の前提である調査が杜撰・虚偽に基づくものを理由に、処分を担当した弁護士は、「地獄に落ちて永劫の業火に焼かれる」とまで書いて激しく非難している記事が、判例時報No2162号(11月21日号)に載せられていました。

 処分の決定理由には、先生の解説によれば、①打合せの際に飲酒をしたこと、②他の来客等第三者に聞こえるほど大きな声で話しをしたこと、③自己の飲食代を両親に支払わせたこと、④少年の両親に対して少年や両親の人格等に関する非難中傷を行ったことが、指摘されていました。

 まず、「グラスビール300CCを少しずつ、1時間ほどかけて飲み、のどをうるおしたことは事実であるが、これは、お茶代わりである。」と説明されてます。

 しかし、弁護の打合せで、アルコールの入ったビールを飲む必要性はなく、むしろ、アルコールの入ったビールを飲んで打合せを行う弁護士に対して、被疑者の親族がどのように思うかは、容易に想像できるのではないかと思います。喉が渇いたのであれば、水かお茶で足りるはずであり、先生の「お茶代わり」と言い切ってしまうこと自体、どうなんでしょうと思いました。

 次に、飲食店での打合せを行ったということのようですが、このような相談は、まず、事務所の応接室のような誰もいない部屋で行うべきであり、親しくもない被疑者の親族とご飯を食べながら相談にのるのも、一般的ではないのではないかと思いました。

 さらに、飲食費代を被疑者の親族に結果的に負担させているということです。国選弁護人は対価の受領が禁じられていますが、社交儀礼との境界が不明確であるため、数百円程度のお菓子の詰め合わせも受取を拒絶するのが国選弁護の場合には無難な対応というべきものです。

 とりわけ、国選事件の依頼人の場合には、通常は、紹介者などが介在しないために、後日大きなトラブルに発展することもありうることから、相応の注意を払いながら慎重に対応していることが少なくないと思います。

 横浜弁護士会の処分の手続が適正であったかどうかは私にはわかりません。

 しかし、少なくとも、被疑者弁護の打合せを、ビールを含む料理をとりながら料理店で行うのは、今回の事例のように、依頼人との関係が悪化した場合には、非常にリスクの大きいやり方ではないかと思います。

 以前の自由と正義で、飲酒して相談した事案で懲戒を受けた弁護士がいたことを思い出しました。

 主観的には一生懸命弁護活動しても、依頼人から評価されなければ、良い弁護とは言えません。気を付けたいと思います。

  

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