【保険金】 自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において上記条項に基づき保険金を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲 最高裁平成24年5月29日判決
判例タイムズNo1374号(9月1日号)で紹介された平成24年5月29日最高裁第三小法廷判決です。
保険会社は保険金請求権者の権利を害さない範囲内に限り保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する旨の定めがある自動車保険契約の人身傷害補償条項の被保険者である被害者に過失がある場合において、
上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、上記条項に基づき被害者が被った損害に対して保険金を支払った保険会社は、
上記保険金の額と被害者の加害者に対する過失相殺後の損害賠償請求権の額との合計額が民法上認められるべき過失相殺前の損害額を上回るときに限り、
その上回る部分に相当する額の範囲で保険金請求権者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得する
事案は、亡春男(過失35%)と甲野(過失65%)との交通事故が原因で、春男が死亡し、春男の相続人が人傷社に対して、人身傷害保険金を請求し受領したので、人傷社が原告となって、加害者に対して、求償したというケースです。
ところが、高裁は、人傷社が代位取得した春男の相続人らの加害者に対する損害賠償請求権の範囲につき、春男に係る人傷基準損害額に35%の過失相殺をした金員から、既払金等を控除した約270万円の限度で認めました。
これに対して、加害者側は、裁判基準の損害額で計算すべきだとして(「裁判基準損害額は、人傷基準損害額よりも多額であるのが通例であり、その場合には、人傷社が代位取得する上記損害賠償請求権の範囲は、原審の損害額よりも少額となる」)、上告受理したという事案です。
田原裁判官の「同一の約款の下で、保険金の支払と加害者からの損害賠償金の支払との先後によって、被害者が受領できる金額が異なることは決して好ましいことではない」と意見が参考になります。
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