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2012年7月 7日 (土)

【労働・労災】 私立大学の理事と従業員の地位を併有する者につき、私立大学が投資運用に失敗して多額の損失を出したことについて、理事として投資運用の議案に賛成していたとしても、関与の程度に照らして、従業員としての退職金不支給事由があるとはいえないとされた事例 横浜地裁横須賀支部平成23年9月12日判決

 判例タイムズNo1370号(7月1日号)で紹介された裁判例です。

 判決の概要は以下のとおりです。

 労働者のそれまでの勤続の功を抹消ないし減殺してしまう程の、著しく信義に反する行為があった場合に限って退職金不支給規程が適用できることを前提として、

 本規定の「不都合の所為が認められ退職する者」をYの職員でそれまでの勤続の功を抹消ないし減殺してしまうほどの著しく信義に反する行為があった場合にYを退職する者をいうと解すべきであるとしました

 その上で、本件投資に関し問題となるXの責任は、理事としての善管注意義務違反であり、従業員としての行為ではないこと、

 Xは病院担当理事として、過半数で意思決定がされる理事会において一票を投じたに過ぎなかったこと、

 本件投資に係るYの理事会が開催された当時、後に逮捕されることとなった理事らがかなり強引に主導しており、その他の理事や監事は、提案された投資案件について十分な質問ができる状況ではなかった旨Yが報告していること

 理事会におけるXの発言内容等に照らして、Xは、受動的な立場で本件投資に賛成したにすぎないことなど

 を根拠に、Yに対する功を抹消ないし減殺してしまうほどの著しく信義に反する行為があったとまでは認めがたいとしました。

 法人の理事と従業員の地位を併有する場合って、会社の場合も同様のケースがあるため、同種事案を処理するにあたり参考になりそうですね。

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