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2012年1月24日 (火)

【金融・企業法務】 簡易生命保険契約の保険金受取人が無断で保険金等の支払を受けた者に対して不法行為に基づく損害賠償を請求する場合において上記の者が損害の発生を否認して請求を争うことが信義誠実の原則に反し許されないとされた事例 最高裁平成23年2月18日判決

 久しぶりの更新です。

 金融法務事情No1938号(1月25日号)で紹介された最高裁平成23年2月18日判例です。

 なお、NO1938号は、反社対応についての特集記事がくまれています。

 判決要旨を紹介いたします。

 簡易生命保険契約の保険金受取人であるXが、無断で保険金等の支払を受けたY1およびY2に対して不法行為に基づく損害賠償を請求する場合において、

 次の①、②などの判示の事情のもとでは、上記支払が有効な弁済とはならず、Xが依然として上記保険金等の支払請求権を有しているとしても、Y1およびY2がXに損害が発生したことを否認してXの損害賠償請求を争うことは、信義誠実の原則に反し許されない。

 ① Y1およびY2は、郵便局員から上記保険金等の支払請求権がXに帰属する旨の説明を受けていながら、Xに無断で、X名義の支払請求書兼受取証を作成するなどして、支払請求手続を執った

 ② Y1およびY2が上記保険金等の支払を受けた後、Xは、日本郵政公社に上記保険金等の支払を請求したが、拒絶された

 日本郵政公社に請求できるのだから損害ないだろうというのが、自然な発想であり、現に高裁は損害の発生を否定していますが、よくよく考えると、不法行為を行った人達を免責するのはしっくりとはいきません・・・

 なお、似たような事案で、最高裁平成16年10月26日判決も以下のとおりの判断をしています。

 何らの受領権限もないのに金融機関から預金債権について払戻しを受けた者に対し、債権者が不当利得返還請求をしたという事案において、

 ①弁済受領者は自ら受領権限があるものとして払戻しを受けておきながら、訴訟においては一転して、金融機関に過失があるから上記払戻しは無効であるなどと主張するに至ったこと、

 ②仮に弁済受領者が弁済の有効性を争って上記請求の棄却を求めることができるとすると、債権者は金融機関が善意無過失であったか否かの判断をした上で訴訟の相手方を選択しなければならないという負担を受忍せざるを得なくなることからすると、

 弁済受領者が債権の不消滅を主張して債権者からの請求を争うことは信義則に反し許されないとの事例的判断をしました。

 これは以前ブログでとりあげたと思います。

 整理するまでには至りませんが、同種事案の相談はあってもおかしくないと思いますので、勉強したいと思います。

  

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