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2011年12月16日 (金)

【労働・労災】 取引先の従業員の引抜等を会社が設置したコンプライアンス室に内部通報した従業員を3度にわたり配置転換した場合において、最初の配転命令が内部通報をしたことを動機とする不当なものであり、続く二度の配転命令がその延長であるとし、上司の不法行為責任、会社の使用者責任が肯定された事例 東京高裁平成23年8月31日判決

 判例時報No2127号(12月1日号)で紹介された東京高裁平成23年8月31日判決です。

 マスコミで大きく報道された事件ですが、現在では、別件でも大変なことになっている日本有数の優良会社の1つだった会社が舞台です。

 裁判所は、

 内部通報を受けたコンプライアンス室の担当者が運用規定に従って通報者であるXの秘密を守りつつ、適切に対応しなければならなかったのに、

 Xが承諾しないにもかかわらず、Xの氏名、通報内容を開示する等し、

 主として個人的な感情に基づき、制裁的に配転命令をおこなったとして、コンプライアンスヘルプライン運用規定に違反するとして、上司及び会社に賠償を認めました。

 判時は、「本判決は、特に会社が自ら内部通報等に関するコンプライアンスヘルプライン等を定めた場合には、公益通報者保護法よりも、広くその違反が不利益取扱いを無効とし、損害賠償責任を惹起することを示した事例として、重要な意義をもつ」(同書P124)と説明しています。

 内部通報制度は、私が所属する事務所でも取り扱っていますが、このようなことが発生しないよう、細心の注意を払って取り扱っていきたいと思います。

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