【金融・企業法務】 郵政事業会社が転居届に関わる情報について負う守秘義務が弁護士法23条の2に基づく照会に対する報告義務に劣後し、報告を拒絶したことに正当な理由はないが、照会の権利・利益の主体は個々の依頼者ではないから、不法行為に基づく損害賠償を請求することはできないとされた事例 東京高裁平成22年9月29日判決
判例時報N02105号(5月1日号)で紹介された平成22年9月29日東京高裁判決です。
いわゆる弁護士会照会に対する報告拒絶が不法行為を更正するのか?という論点についての裁判例です。
判例時報の解説によれば、現在までの裁判例は以下のとおりのようです。
肯定説
①大阪地裁昭和62年7月20日判決(傍論)
②大阪地裁平成18年2月22日判決(結論否定)
③京都地裁平成19年1月24日判決(肯定)
否定説
①岐阜地裁昭和46年12月20日判決
②大阪高裁平成19年1月30日判決
③東京高裁平成22年9月29日判決(今回の裁判例)
弁護士会への報告義務が公法上の義務とした上で、郵便法8条2項の守秘義務よりも優先するとして、報告拒絶に正当な理由はないしたものの、不法行為については否定するというわかりにくい内容の裁判例となっています。
いつも疑問に思うのですが、民事的制裁もないとすれば、弁護士会照会に報告義務を認めても絵に描いた餅にすぎないように思うのですがどうでしょうか?
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