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2011年2月21日 (月)

【労働・労災】 従業員のうつ病発症については会社の安全配慮義務違反は認められるが、自殺との間には相当因果関係は認められないと判断された事例 大阪地裁平成22年2月15日判決

 判例時報No2097号(2月11日号)で紹介された大阪地裁平成22年2月15日判決です。

 本件は、Y会社において旅行関連業務に従事していた従業員Aが、うつ病に罹患し自殺したのは、Yの安全配慮義務違反又は不法行為によるものであるとして、Aの遺族Xらが、Yに対して求めた損害賠償の事案です。

 裁判所は、以下の理由に基づき、Aの精神面を含む健康管理上の安全配慮義務に違反するものであり、この行為によりAのそのころ発症した不安、抑うつ状態を持続、長期化させ、うつ病の発症に相当程度寄与したと認定しました。

 ①Yに入社後の健康診断で血清肝炎を指摘され、Yの健康指導員の指導を受けるようになり、C型慢性肝炎の治療として内服、静脈注射を受け、その間にインターフェロン治療を提案されたがこれに応じなかったこと

 ②平成16年4月、AはYの支店に異動となったが、その頃インターフェロン治療を受けることを決め、上司らに申告したところ、衛生管理担当のB次長から転勤直後に入院治療を受けることを非難するような発言をされたこと

 ③平成16年5月、Aは入院したインターフェロンの投与を開始し、副作用等による一時中断があったものの、同年7月に退院し、以後通院による治療を受けることになったこと

 ④そこでAは復職のためB次長らと面談したが、その際に、Bから「治療に専念した方がよいのではないか。自分から身を引いたらどうか。」等退職を示唆する発言がされ、Aに相当の精神的衝撃を与え不安症状を強めたこと

 他方で、

 当時のAの病態、症状等を最大限に考慮しても、Yにおいて、Aが自殺することについてまで具体的な予見可能性や予見義務があったとは認められないことから、

 Aの自殺との間に相当因果関係は認められないと判断しました。

 そして、結論的には、うつ病に罹患した慰謝料として、300万円を認めました。

 この判決は確定したようです。

 

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