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2011年2月12日 (土)

【建築・不動産】 あれれ 最高裁平成22年4月20日判決

 金融法務事情No1915号(2月10日号)の判決速報で紹介された最高裁平成22年4月20日判決です。

 事案は、以下のとおりです。

 本件建物は、もとCの遺産でした。BとY(上告人)は、Cの子で、その相続人です。Cは、平成3年に死亡して、Bが遺産分割協議書により本件建物を取得しました。従って、Yは、本件建物については、何らの持分を有していません。他方、Bは、平成9年に死亡して、その妻であるX1(被上告人)が持分2分の1、子であるX2(被上告人)及びAが持分各4分の1を取得しました。

 実体法的には、

 X1 2分の1、X2 4分の1、A 4分の1 の持分を有しているわけです。

 ところが、本件建物には、

 Y 2分の1、X1 4分の1、X2 8分の1、A 8分の1とする所有権保存登記(本件保存登記)がされていました。

 そこで、Xらは、本件建物につき、Yは何ら持分を有していないのに、Yの持分を2分の1とする本件保存登記がされている旨主張して、Yに対して、共有持分権に基づき、本件保存登記のうちYの持分に関する部分の抹消登記手続を求めました。

 第1審、第2審ともに、Xらの請求を認めました。

 形式上は、Xらが勝訴したわけですが、両手をあげて喜んでいわれないようなことになっています。

 それは、「原審は、被上告人らの本件登記部分の抹消登記手続請求を認容すべきものとしたにとどまると解しうるとしても、そのような判断は、1個の登記の一部のみの抹消登記手続を命ずるものであって、不動産登記法上許容されない登記手続を命ずるものといわざるを得ない」と最高裁が示しているように、登記ができないという恐ろしい状態になっています。

 そして、最高裁は、

 Xらの本件登記部分の抹消登記手続請求は、本件登記部分を実体的権利に合致するための更正登記手続を求める趣旨を含むものと解することができること

 但し、Xらは、自己の持分についての更正登記手続を求めることができるにとどまり、Aの持分についての更正登記手続を求めることはできないとして、

 X1 2分の1 X2 4分の1 Y8分の1 A8分の1

 というにとどめました。

 つまり、本来無権利者であるYの持分8分の1が登記上残る形になっています。

 Yの上告理由自体は簡単に排斥していますが、職権で原判決が破棄されています。Xらにとっては怪我の功名というべきか?どうかわかりませんが、登記できるようにはしてくれたわけです。

 但し、今後登記上残るYの持分 8分の1については、どのように処理されるべきなのでしょうか?

 XらがYの持分8分の1を承認されるのであれば、共有物分割でしょうかね?

 或いは、AがYに対して更正登記手続請求訴訟を申立を行うのでしょうかね?・・・・

 難しくて私にはわかりません・・・・

 なお、解説には、「本判決は、以上に述べた判例法理を改めて確認するものではあるが、同種事案を取り扱う関係者に注意を促すものとして、参考になると思われるので、紹介する」と記載されています。

 最近、司法書士の先生から、「審判や判決書で登記できないことがあるんだよね」という言葉を聞いたことがありますが、弁護士は必ずしも登記には精通していないことも少なくありませんので、登記関係訴訟は、専門家である司法書士の先生のリーガルチェックを経て、申立をする必要がありそうです。

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