【金融・企業法務】 投資信託の受益証券を販売した銀行の不法行為責任が肯定された事例 大阪地裁平成22年8月26日判決
銀行法務21・11月号で紹介された裁判例(大阪地裁平成22年8月26日判決)です。
事案は、Y銀行の担当者による投資信託の受益証券の販売勧誘にあたり、適合性の原則違反、説明義務違反、断定的判断の提供の違法性があったかどうかが争われたケースです。
裁判所は、
証券会社の担当者が、顧客の意向と実情に反して、明らかに過大な危険を伴う取引を積極的に勧誘するなど、適合性の原則から著しく逸脱した証券取引の勧誘をしてこれを行わせたときは、当該行為は不法行為法上も違法となると解するのが相当である、
担当者による取引の勧誘が適合性の原則から著しく逸脱していることを理由とする不法行為の成否に関し、顧客の適合性を判断するに当たっては、具体的な商品特性をふまえ、これとの相関関係において、顧客の投資経験、証券取引の知識、投資意向、財産状態等の諸要素を総合的に考慮する必要がある。
投資経験及び知識がほとんどなく、
慎重な投資意向を有する79歳という高齢で一人暮らし
相当のリスクがあり理解が困難な本件投資信託の購入を勧誘し
Y銀行の内部基準を形骸化するような運用
→適合性の原則から著しく逸脱した投資信託の勧誘といえる
と判断しました。
但し、解説者によれば、Xは、インタビューシートに、安全性収益性のバランスに配慮すると記入したことや、今回の取引で生じた損害が約250万円程度でありXが預貯金が5000万円、月収が100万円弱あることから過大な危険といえるのか議論がわかれるのではないかと指摘されています。
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