【知的財産権】 企業秘密保護 No8 営業秘密管理指針⑤
営業秘密管理指針の続きです。
前回は、2.営業秘密の管理のために実施することが望ましい秘密管理方法として、(1)秘密指定、アクセス権者の指定、(2)物理的・技術的管理を鳥瞰していきましたが、本日は、(3)人的管理、(4)営業秘密侵害に備えた証拠確保等に関する管理をみていきたいと思います。
(3)人的管理
①基本的な考え方
「厳重な物理的・技術的管理方法を採用しても、それを遵守すべき者が秘密管理の重要性を理解していなかったり、採用されている管理方法を的確に認識していなかった場合には、実効的な管理がなされず、その結果、意図的か否かにかかわらず、営業秘密が漏えいする危険性が相当にあるといえる。そこで、アクセス権者であるか否かにかかわらず、全ての従業者等において、自社の秘密保護に関する認識を持ち、営業秘密侵害や漏えいを防止するような意識を持つことが重要である。そのため、事業者としては誰がどのような営業秘密を扱っているかを把握した上で、誰にどのような義務を負わせるかを明確にするとともに、自社における営業秘密の取扱いに関するルール等を周知徹底させるために、日常的に教育・研修等を行う。また、従業者、退職者、派遣従業者、転入者、取引先等、対象に応じた適切な管理を行う。」
②人的管理
(ア)従業者等に対する教育・研修の実施
「秘密管理の重要性や管理組織の概要、具体的な秘密管理のルール等について、教育・研修を実施する。」
a 教育・研修責任者の設置
b 教育・研修内容の決定
c 教育・研修の実施
(イ)就業規則・契約等による従業者、退職者等への秘密保持の要請
「契約、誓約書等により、営業秘密を開示した相手方(従業者、退職者等)の秘密保持義務を明確化する。就業規則や各種規程に秘密保持義務を規定し、従業者等に周知する。就業規則において秘密保持の規定を設ける場合には、労働関連法規に反しないよう留意する必要がある。退職者に秘密保持義務を課したい場合には、できる限り秘密保持契約を締結する。」
a 就業規則等の規定
b 従業者等、退職者等と締結する契約等
c 退職者との競業避止契約
(ウ)派遣従業者
「派遣従業者に対しても、同程度の業務に従事している自社の従業者に対して課しているのと同等の秘密保持義務を遵守するよう規定する。ただし、これらの場合には、労働基準法や労働者派遣法に反しないよう留意する必要がある。」
(エ)転入者
「他の会社から転職した者を採用するときには、転職者が前職で負っていた秘密保持義務や競業避止義務の内容を確認する。」
a 転入者の契約関係の確認
b 採用時の法的対処方法
c 採用後の管理
(オ)取引先
a 自社情報
b 取引先の情報
(4)営業秘密侵害に備えた証拠確保等に関する管理
「厳重な管理方法を実施した場合であっても、営業秘密が漏えいするおそれを完全になくすことはできない。そこで、営業秘密が漏えいした場合に備えて、証拠確保のための措置を講じることが考えられる。」
人的管理は、非常に大切ですが、難しいところでもあります。営業秘密とは関係がありませんが、例えば、前の勤務先のことをぺらぺら喋る方は、おそらく今の勤務先のこともぺらぺら喋っていることが少なくないように思われます。うちの場合、法律事務所なので、口の堅い人でなければなりません。口が堅すぎで、ナゾだらけのスタッフも不気味ではありますが・・・・
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