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2010年11月17日 (水)

【知的財産権】 企業秘密保護 No3

 今度は、営業秘密の刑事上の保護規定についてです。

 まず、2003年改正法によって、はじめて、営業秘密の侵害行為に対して、刑事罰が導入されました。

 しかし、これは、日本国内での犯罪のみを処罰し、国外犯には適用されなかったので、半導体や液晶などの分野において、アジア諸国の企業との競争が本格化する中で、日本企業の技術者が、週末に海外に出張しアルバイトでこれらの企業に営業の秘密を教えるとか、さらには、退職した日本企業の技術者が、会社の営業秘密を持ち出して、アジアの競争企業に再就職するなどの事例が増えてきました。

 そこで、2005年改正法は、現職の役員や従業者のみならず退職者の不正開示をも処罰し、退職者を受け入れる法人をも処罰できるように両罰規定を採用し、かかる処罰を国内犯のみならず国外犯にも適用するようになりました。

 そのわずか1年後には、2006年改正法は、刑罰上限を引き上げました。

 しかし、営業秘密侵害罪の構成要件として、「不正競争の目的」が主観的要件となっているために、競争関係の存在を前提としない単なる加害目的の行為や、外国政府等を利する目的で不正開示がなされた場合には、処罰できないことになっていました。

 また、処罰規定の構成として営業秘密の不正使用、不正開示行為を中心的な処罰対象行為として捉えているため、被害企業内の管理体制に残った痕跡から不正取得や領得の事実が明白であるにもかかわらず、当該企業外で行われる不正使用や不正開示を立証できないために、泣き寝入りせざるをえないことになっていました。

 そこで、2009年改正法は、「不正競争の目的」という不正競争防止法の主観的要件を削除し、財産侵害罪の主観的要件である「不正の利益を得る目的又は保有者に損害を加える目的」、即ち「図利加害目的」に変更しました。

 また、第三者に対して秘密に不正開示されたことの立証の困難性を救済するために、かかる不正開示前の段階である営業秘密の管理体制が突破された不正取得と不法領得の段階で侵害者を逮捕できるように構成要件を変更しました。

 

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