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2010年9月 4日 (土)

今日の日本経済新聞の記事

 朝日新聞の司法修習生給費制に対する記事にも驚きましたが、日本経済新聞の記事(マーケット総合2P15)の内容はもっと驚きました。

 日本経済新聞の要旨は、

 合格者数の増加と弁護士の職域拡大の間には時差が生じて当然だから、合格者数の抑制は時期尚早である、

 企業や行政の内部、或いは、国際機関での執務や海外進出する日本企業の支援などの国際業務も、開拓の余地の「大きい」事業領域のはずだ、

 民間企業は苦労をして新規事業を立ち上げたり海外市場を開拓してきた、

 合格者は甘えるな

 という内容でした。

 確かに、民間企業であれば、売上げ拡大のために、新しい事業領域の拡大を積極的に行うということは理解できます。自由競争のもと、儲けを出さないと、淘汰されてしまうからです。

 ところが、弁護士の業務の中には、儲けにつながらない仕事がかなりの部分を占めています。刑事の国選事件、当番弁護、法律扶助事件、刑務所の受刑者の処遇に関する事件、無料法律相談会など多々あります。これは自由競争になじまない業務です。

 民間企業であれば、儲けにつながらない仕事は、基本的には引き受けません。当然のことです。

 ところが、弁護士の場合には、利益を度外して引き受けざるをえない事案も多々あるのです。

 日本経済新聞の記事では、弁護士の数を増やし弁護士が伝統的な弁護士業務だけでは充分な収入が得られない状況に陥らせることを、積極的に肯定しています。

 充分な収入が得られないのに、儲けにつながらない仕事は基本的に引き受ける人はいません。また、充分な収入が得られない弁護士だと、報酬が高かったり或いは依頼人のお金を横領してしまうことも考えられます。

 日本経済新聞社は、企業や行政の内部で弁護士が活躍できる余地はいくらでもあると言いますが、日本経済新聞社は、新人弁護士を今年どのくらい採用しているのでしょうか?また、採用されているとすれば、弁護士の資格を有する社員をどのように処遇されているのでしょうか?

 また、国際機関での執務とか、外国での日本企業の支援などに至っては、笑い話のようです。でも、日本経済新聞社は、「開拓の余地の大きい事業分野のはずだ」と言っています。

 そういえば、今日は、弁護士とのトラブルについての特集が、NHKで報道されるのではなかったかと思います。

 弁護士の急増で、食べていけなくなった弁護士が、依頼人をいかに食い物にしているのか、日本経済新聞はまるでわかっていないようです。

 司法改革のために、失った弁護士に対する信用を取り戻すのは、至難な技ですが、一刻も早く、旧司法試験制度という誰でもが受けられる試験に戻し、合格者の数は需要を睨みながら検討していく必要があるのではないかと思っています。

 

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【弁護士考】」カテゴリの記事

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