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2010年8月10日 (火)

【労働・労災】 発電所の建設工事の下請会社の従業員の感電災害事故について、注文者の安全配慮義務違反の責任が否定された事例 東京地裁平成22年3月19日判決

 判例時報平成22年8月1日号(No2078号)で紹介された平成22年3月19日付け東京地裁判決です。

 判例時報の解説によれば、事案は以下のとおりです。

 Y3(東京電力)は、Y1(建設会社)との間で、神流川発電所新設工事のうち、土木工事を請け負わす旨の請負契約を締結したが、Y2(建設会社)は、Y1から右土木工事を下請受注した。

 Xは、Y2の従業員として、平成13年6月4日ころから、右土木工事の現場に入り、Y1の従業員であった工事事務所所長の指揮の下で、作業に従事していたが、同年7月21日、ハンマードリルを用いてコンクリート吹付面に穿孔する作業に従事していたところ、ハンマードリルに附属する電気ケーブルの被膜損傷から感電し、「感電及びそれに伴う全身打撲」等の傷害を負って、入通院治療を余儀なくされた。

 そこで、Xは、Yらに対して、安全配慮義務違反を理由とする債務不履行ないし不法行為に基づき、約7200万円の損害賠償を請求しました。

 裁判所は、

 Y1(元請会社)とY2(下請会社)には、Xが使用したハンマードリルの安全性を確保等する義務を負いながら、このための措置を怠ったとして、安全配慮義務違反を認めましたが、

 Y3(注文主)については、

 注文者と請負人の労働者との間に、雇用契約に準ずる法律関係が認められるような場合には、注文者は、当該労働者に対して安全配慮義務を負うとしたが、

 Y3は、Xに直接の指示を与えて作業に当たらせたりしたという事情は一切認められず、Y3とXとの間には、Y3に安全配慮義務を課すべき雇用関係に準ずる法律関係があるとは認められないから、Y3がXに対して安全配慮義務を負っていたということもできないことを理由に、

 Y3に対する請求を棄却しました。

 注文者に対する請求については、原則的には難しいと思いますし、今回の裁判例も、従来の裁判例の流れにそったもののようです。

 

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