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2010年8月 8日 (日)

司法修習生に対する給費制の存続

 司法修習生は、裁判官・検察官・弁護士の卵です。

 これまでは、司法修習生に対して、給料が支払われてきました。この給料の支払いが廃止され、今年の11月から、貸与制に切り替えられます。

 つまり、国が司法修習生に対してお金を貸しつけるということに変わったわけです。

 ところが、法科大学院を経ての司法修習生の場合には、日弁連の調査では、半数が奨学金利用しており、平均で約320万円ほどの借金を抱えています。

 司法修習によって、さらに300万円程度の借金が加算されるということになります(基本コースは月額23万円ですが、18万円、28万円というコースもあるようです。)。なぜなら、司法修習生の修習は、平日フルタイムであり、しかも、アルバイトは厳禁となっているからです。

 支払い開始は司法修習の修了から5年以降だそうです。

 また、裁判所のHPによれば、国は貸しつけたお金に保証人をとるようなことまで要求しています。自然人の保証人がいない場合には、オリコが機関保証してくれるようです。

 そして、弁護士の急激な増加、隣接業種からの法律事務への進出はとまるところを知らず、新人弁護士の就職難がマスコミ等によっても大きく報道されるに至っています。

 これでは財産がなければ、弁護士を志そうとすることは非常に難しいことになります。

 新人弁護士の初仕事が、自身の個人再生手続なんてというブラックジョークが言われていますが、残存する奨学金も加算すると、負債総額は600万円程度になるため、実際もありそうですね。

 司法修習生に対する給費制の廃止により、富裕層出身の司法修習生が増え、また、修習に大金を支払わされていることから、弁護士という職業に対する意識にも極めて大きな変化が生じ、今後は、ビジネスライク的に考える人が急増するだろうと思います。

 また、法科大学院生にとっては、借金が膨らむ司法試験は選択肢の1つに過ぎずなくなり、司法試験ではなく、国家公務員や地方公務員試験、民間企業への就職という選択も増加するものと想像しています。

 ただ、役所や民間企業に就職であれば、法科大学院に進学することが出世に必ずしも有利とはならないため、法科大学院の人気は益々落ちていくことになるでしょう。

 貸与制導入後の弁護士とそれ以前の弁護士との軋轢も大きくなり、次第に前者が多数を占めてくることになるため、強制加入団体である弁護士会への要求もかなりシビアなものになっていくと思っています。

 また、法科大学院を卒業したものの、結局司法試験に合格しない者、司法修習生になったものの2回試験に合格しなかった者の奨学金や貸与金の支払いはどうなるのでしょうか?

 弁護士になってもその貧困が問題となっているのに、結局多額の借金を背負わされた方々の救済はどのようになるのでしょうか?

 さらに、出発の時点で多額の負債を抱える弁護士の増加により、金銭的な不祥事も増加するものと思われます。弁護士に対するクレームも増加し、「弁護士になりたい」という方は反比例のように減っていくだろうと思っています。

 支払い開始は5年後ということなので、その間に給費制復活の裁判所法の改正があればいいんだけどなあ。  

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