🚓 書籍紹介(交通事故)

🏩 書籍紹介(労働・労災)

🏠 書籍紹介(不動産・建築)

📚 書籍紹介(法律)

🚚 書籍紹介(流通)

« 被疑者国選と懲戒 | トップページ | 【消費者法】 過払金返還請求事件の効率的審理の在り方について(共同提言) »

2010年8月25日 (水)

【交通事故】 過失と死亡との間に因果関係は認められないものの、過失が亡ければ死亡時点においてなお生存していた相当程度の可能性があった場合の慰謝料

 判例タイムズNo1325号(8月15日号)で紹介された名古屋地裁平成20年10月31日判決です。

 医療過誤のケースですが、裁判所は、「過失と死亡との間に因果関係は認められないものの、過失がなければ死亡時点においてなお生存していた相当程度の可能性が認められる」場合に、慰謝料として300万円の支払いを認めているので、例えば、死亡と交通事故との間に因果関係はないが、交通事故がなければ死亡時点においてなお生存していた相当程度の可能性が認められる場合にも、応用できるのではないか?と思い紹介する次第です。

 最高裁平成11年2月25日判決は、「医師の過失と患者の死亡との間に因果関係があるというためには、医師が注意義務を尽くして診療行為を行っていたならば、患者がその死亡の時点においてなお生存していたであろうことを是認し得る高度の蓋然性が証明されることが必要である」と判断しています。

 しかし、医師の過失と患者の死亡との間に因果関係は証明されない場合でも、最高裁平成12年9月22日判決は、「医療水準にかなった医療が行われていたならば患者がその死亡時点においてなお生存していた相当程度の可能性の存在が証明されるときは、医師は、患者がその可能性を侵害されたことによって被った損害を賠償する責任を負う。」と判断しています。

 解説によれば、この判決以降、因果関係を否定しつつ、相当程度の可能性を侵害したことを理由として損害賠償を認めた下級審判決は、少なくとも40件を超えており、判決例も集積しつつあると記載されています。

 問題は、慰謝料の金額ですが、100万円~1000万円まででかなり幅があり、200万円、300万円が比較的多いようです。

 でも、平成12年の最高裁判決って、深く考えようとするとよくわかりませんね。

 患者の死亡時点において、なお生存していた高度の蓋然性はない

 これは、過失と死亡との間に因果関係がないことを意味します。

 死亡と過失との間の因果関係がないとしても、過失がなければ、患者の死亡時点では生存していた可能性があった場合には、その可能性を侵害されたことに対する慰謝料ということで、期待権の侵害という理屈をとっているように思われます。

 従って、期待権の侵害ですから、損害としては慰謝料のみということになるのでしょうね。

 そうすると、仮に、慰謝料を認めたとしても、原告の請求金額とはかなり乖離されることになります。

 本件でも、約1億の請求に対して、330万円の認容です。

 原告の提訴の目的が感情的な満足にあるのであれば別ですが、医療過誤という手間がかかる事案であることを考えると、これだと費用倒れにおわっているのではないかと思われます。

« 被疑者国選と懲戒 | トップページ | 【消費者法】 過払金返還請求事件の効率的審理の在り方について(共同提言) »

2026年6月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

🏦 書籍紹介(企業法務・金融)

無料ブログはココログ