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2010年6月17日 (木)

判タNo1321 講演 弁護過誤を避けるために

 判例タイムズNo1321号(6月15日号)の加藤新太郎先生の講演録です。

 講演タイトルは、「弁護過誤を避けるために」というテーマです。

 弁護過誤を避けるための5カ条を示していただいています。

 ① 受任事件を吟味する。

 ② 依頼者とのコミュニケーションに万全を期する。

 ③ ケアフルな執務体制を構築し、ケアフルな執務を実践する。

 ④ 知識を備え、技能をアップすることはすべてを解決する。

 ⑤ いつでも、どこでも、誰に対しても誠実に執務する姿勢を堅持する。

 加藤先生は、弁護過誤について、態様から4類型に分けています。

 (1)不誠実型

  ※弁護士が債務整理を委任され債権者と依頼者間で和解をしたのですが、報酬問題で依頼者とトラブルが生じたことから、すべきであった抵当権抹消登記手続をしませんで、その上に辞任後、相手方であった債権者に情報した結果、紛争を再燃させてしまったケース

  ※委任事務終了後、相手方の代理人となって行動をして、結局、元の依頼者の利益に反したケース

  ※訴訟代理人が訴訟受任をしたのですが、期日変更申請書を提出するよう指示したのみで、口頭弁論に欠席し、敗訴判決があっても報告せず、確定してしまったケース

  ※不動産が何筆かあるものの法的トラブルを抱えている依頼者から、法的手段を講ずるよう依頼されたのに一部しか提訴しなかったケース

   ※弁護士が交通死亡事故の被害者遺族から、損害賠償事件を受任し、刑事記録や鑑定書を入手して検討を始めたものの、本格的に着手することをせず、依頼人とも十分な協議をせずに、損害賠償請求権を時効消滅されたケース

  ※一審で敗訴した建物収去土地明渡請求訴訟の控訴審において和解ができたのに、報告をきちんとしなかったため、依頼者が既に店舗を移転してしまっていたケース

 (2)単純ミス

  ※控訴期間徒過、上告期間徒過

  ※白地手形について受取人欄の補充を指示しなかったケース

 (3)技能不足型

  ※土地明渡し断行の仮処分について、土地を占有していなかった者を相手方としてしまったケース

 (4)その他

  ※法律事務所の事務員が、控訴審の訴訟を受任した他の弁護士からの控訴期間についての照会に対して、誤った情報を提供したケース

  以上は、弁護士に民事責任が認められてしまったケースですが、他方で、民事責任が否定されたケースもたくさんありました。

  例えば、①依頼者の了承・意向の反映、②裁量の範囲内、③受任案件の範囲外などの理由により、否定されるようです。

 弁護過誤を発生させないよう、加藤先生の教えを守っていきたいと思います。

     

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