日弁連会長選 と 新人弁護士の採用
日弁連会長選が白熱しているようで、最近では、候補者の各陣営から、月に数回程度の割合で、FAXや郵便で、カンパの依頼や書類が送られてきます。
私自身は、日弁連会長選にはほとんど興味がないため、そのままゴミ箱に捨ててしまっていますが、少しだけ読む限り、どの陣営も、若手弁護士の票集めようと必死なのが伝わってきました。
会長候補者は、主流派のY陣営と、クレサラ系のU陣営、反主流派のT陣営の3すくみだと思いますが、前回奮闘されたT弁護士は懲戒処分にかかり立候補ができないようなことになっているようです。
最近、就職活動に苦労するばかりか、法律事務所に入れない新人弁護士が大量に生じてきていることから、これ以上、弁護士の数は増やさないでもらいたいと思いますが、この法曹人口拡大については、T弁護士は昔から一貫して反対していたと記憶しています。
他方で、日弁連は、新人弁護士を採用するよう、何度もFAXを送ってきます。しかし、個々の弁護士の売上げが減少傾向にあるにもかかわらず、事務職員と異なり高額な給料の支払いが必要な新人弁護士を採用する事務所が数多く出てくるとは限りません。私の事務所の場合でも、新人弁護士の給料(見込み)は、事務職員の2倍くらいになります。当然、その給料に見合った活躍(例えば、給料の3倍くらいの売上げ増)を期待するわけですが、実際には「期待するほどには・・・」という話を新人弁護士を採用された先輩弁護士から聞くことがあります。
従来は、2年~3年程度先輩の弁護士の事務所で働いた後、独立するケースが多かったように思います。ですが、最近は、そのままアソシエイトとして雇用を継続するケースも増えているように思います。この理由として、独立すると、事務所を維持するための経費の支払いという壁が近時高くなっていることに起因するものと考える人もいます。
確かに、私も勤務弁護士のころは、毎月の手取り金額30万円程度に、(当時は)月額15万円程度の国選報酬の併せて45万円程度の収入があり(当時は国選報酬は本当にありがたいお金でした。)、他方で、大きな経費等は、弁護士会費と健康保険(裁判所共済)、税金、国民年金、家賃・光熱費、ガソリン代程度だったので、これらを差し引いても、手取りで月25万円位の収入がありました。妻も働いていたので、夫婦あわせると総額では、市役所の同級生程度の収入はあったのではないかと思います。まあ、駆け出し弁護士であり、実力も充分にはなかったので、むしろ、勉強しながらお金を貰っていたという感覚に近かったように思います。今から思うと、あのころのアパート時代は、部屋は狭いけどほのぼのして幸せだったかもしれません。
2人でタオル持参で近くの銭湯にいっていました。「神田川」みたいな世界でしたね。![]()
もっとも、私の勤務弁護士時代は、10年以上前のことなので、今のように、過払金事件の回収の困難化、過払金を除く事件数の減少、弁護士数の増加、隣接業種特に司法書士の参入、都会の法律事務所の広告の氾濫、被疑者国選制度導入により私選弁護の激減という「地方弁護士冬の時代」を迎えた今とでは、時代が大きく変わっているように思います。
経営弁護士として、(1)リスクを負担して事務所を拡大すべきか、(2)リスクを負わないで自分で処理できる範囲でやっていくのか、もうそろそろ選択をしなければならない時期を迎えています。
(1)を選択した場合、昔と異なり、後進を育てるというよりも、「弁護士冬の時代」の冬支度のために、新人弁護士を採用するという気持ちが強くなっています。新人弁護士といえども、1年を目処に事務所が期待している程度の弁護士として能力を習得されているかどうか厳しく判断され、雇用契約を更新されないこともあると思われます。
実際、新人弁護士を採用しても、能力などの点からすぐにやめてもらったという話を聞きました。
法律事務所自体が市場原理にさらされている昨今の情勢からいえば、やむをえないことなのかもしれません。
今回、日弁連会長候補者の誰に投票すべきかは、情実にとらわれることなく、以上の事情なども考慮しながら決めたいと思います。
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