認定司法書士の裁判外の和解の代理権の範囲について
香川県弁護士会会報第85号に弁護士業務対策委員会からの活動報告書に、「認定司法書士の裁判外の和解の代理権の範囲について」と題されている記事が載っていました。
引用させていただくと、
司法書士の裁判外の和解代理権の範囲については、司法書士法3条1項7号に規定があり、「紛争の目的の価額」によるものとされている。
その解釈については、①債権者が主張する債権額を意味するとする債権額説と②依頼者が受ける経済的利益によって決定されるとする受益説が対立している。
例えば、債務整理事案において、債権者が200万円の債権の請求をしている場合、債権額説によると、200万円は140万円を越えているから代理権がないことになるのに対して、受益説によると、依頼人が残債務額を100万円と主張している場合は両者の主張の差額は140万円を越えないから代理権があり、また、残債務額に争いがない場合であっても、弁済計画の変更によって依頼人が受ける経済的利益が140万円を越えないときには代理権があるということになる。
この点に関し、神戸地裁平成20年11月10日判決、さいたま地裁平成21年1月30日判決は、いずれも債権額説を採用することを明らかにした。
その理由としては、受益説では、司法書士の代理権の範囲が債務者側(司法書士側)の提案の在り方次第で決まるという不合理な事態を容認することになること、また、そうであるがために、司法書士が自己の代理権の範囲内で紛争解決を図ろうとして債務者(依頼者)の利益が害される事態を招く危険があること、代理権の範囲はできるだけ客観的な基準によって判別できるよう解釈されるべきであることなどがあげられている。
なお、日司連では、上記判決後も従前からの受益説を是とする立場を維持しているようである。
代理権の範囲は、それを超えた代理行為が弁護士法72条に抵触する非弁行為に該当することになるから非常に重要な問題であり、上記判決の上訴審の動向が注目されるところである。
以上、引用終わり。
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