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2009年9月15日 (火)

交通事故に基づく損害賠償に関する示談について、要素の錯誤による一部無効が認められた事例 名古屋地裁一宮支部平成20年12月16日判決

 交通事故判例速報No519で紹介された裁判例です。

 先行する示談について、その一部が錯誤により無効であることを裁判所は認めています。

 以下、引用します(同書P15)。

 交通事故に基づく損害賠償の示談につき、後遺障害についての等級認定を待ってこれに基づいて行うときは、特段の事情がない限り、前提となった等級認定をもとに、これ以外には当該交通事故に基づく後遺障害や等級認定が存在しないものとして、示談を成立させるものであって、前提となった等級認定や障害以外には、障害や別の等級認定がないことを前提とする旨の当事者の意思の合致があったと考えるのが、当事者の合理的な意思に沿うものであり、妥当な意思解釈であるというべきである。

                   ↓ すると

 本件では、上記特段の事情がないにもかかわらず、歯科関係の後遺障害やその等級認定の存在を当事者双方が失念したまま、本件示談を締結したものであり、他には障害や別の等級認定がないこととした当事者の意思表示につき錯誤があり、その限度では、Xら主張の錯誤無効の①②の主張は理由があるというべきである。

                   ↓ そして

 その錯誤無効の効果としては、脊柱関係について成立した示談を無効とするだけの理由はないので、本件示談を全面的に無効とするのではなく、歯科関係の障害につき、一切解決したものとする旨の本件示談の効力が無効となり(一部無効)、Aは、Yに対し、歯科関係の損害賠償を請求することができる。

  先行する示談の効力を否定或いは制限するための理論構成は、解説者の先生によれば、以下のとおりです(同書P17参照)。

 ①当事者の一方が示談の内容を了解しておらず、示談の意思表示がないとして、示談契約の成立を否定するもの

 ②示談契約を公序良俗違反により無効とするもの

 ③示談契約を心理留保により無効とするもの

 ④示談契約を錯誤により無効とするもの

 ⑤示談契約の強迫による取消を認めるもの

 ⑥示談契約中の権利放棄約款は、例文であって効力がないとするもの

 ⑦示談契約に、示談当時当事者が認識し得なかった著しい事態の変化が示談後に生じた場合には、権利放棄約款は解消できる趣旨の解除条件が黙示的に付されているとするもの

 ⑧示談契約により放棄された請求権は当時予想されていた損害につてのみであり、被害者は、後日、示談当時に予想できなかった損害が生じた場合にはその損害を請求できるとして、示談契約の内容を限定的に解釈するもの

 いろんな理屈の立て方があるようです・・・・

 解説の先生からの注意点は以下のとおりです(同書P18)。

 「示談の有効性が争われる事案では、一見すると、複数の法律構成が可能のように思われるケースも多々見受けられる。そこで、示談の有効性が問題となる事案では、示談成立に至る経緯や示談成立当時の感情をできる限り詳細に確認した上で、いかなる法的構成をとり得るかを検討する必要がある。」

 「また、交通事故に示談に際しては、後に示談の有効性が争われることを防ぐため、慎重かつ適切に示談を進めなければならないことは言うまでもない」

 肝に銘じておきます・・・

 

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