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2009年7月28日 (火)

判例タイムズ No1297 新司法試験の合格者数について 石川明論文

 判例タイムズNo1297号に、慶大名誉教授の石川氏の「新司法試験の合格者数について」と題する論文が掲載されていました。

 この論文を読んで、学者の先生の認識にびっくりさせられました。

 石川氏によれば、

 ①合格者数を増やせば、当然合格者全体の平均学力は低下する、②現在の修習修了者の実務法曹としての実力は旧制度のそれを比較して一般的、平均的にいえば、明らかに劣っている

 その対策として、

 修習終了後判事補制度にならって、弁護士の場合にもとりあえず5年程度の弁護士補制度を造る

 というものです。

 基本的に自営業者であるに過ぎない弁護士に、「弁護士人口の著しい増加により生存競争が高度化」している状況のもとで、旧制度のそれと比較して実務法曹としての実力が一般的、平均的にいって劣っている方の指導など、できるわけがない。

 ほどんどの法律事務所が、弁護士が1名或いは数名程度の零細なものであることの認識が不足しているのではないかと思いました。 

 そして、法科大学院側の自助努力については、「簡単に定員削減、統合というが、既に施設を整え活用し、教育スタッフを揃えてしまっている私学にとり、定員の削減や統合をすることに要するエネルギーは異常に大きい」として、

 その対策を、

 (1)前述の弁護士補制度の他に、

 (2)法科大学院終了生に、弁理士資格ないし司法書士資格、あるいは制限された一定の範囲の訴訟代理人資格を取りやすい方法を考えることと述べています。

 (2)についても、無理矢理に法科大学院の存在意義を見いだそうとしているしか思えません。後者は新たな資格創出ですかね。司法試験に合格すればいいだけかと思うのですが・・・

 今回の論文は、法科大学院制度の失敗を棚上げし、弁護士事務所が新人弁護士を雇用して一人前の弁護士にするための研修を怠っているからだと責任転嫁しているようにしか読めませんでした。

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