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2008年12月 4日 (木)

【消費者法】 過払金返還請求訴訟の弁護士費用が認められるか、利息制限法を超える利息及び元本収受行為が不法行為となるか?

 旬刊金融法務No1851(11月25日)号で紹介されている裁判例です。

 サラ金に対して、過払い金請求が頻繁になされるようになって、数年が経過します。

 過払い金返還請求訴訟については、近時、最高裁判例が多く出されており、残された問題は、①弁護士費用が認められるか?、②利息制限法を超える金利収受行為が不法行為を構成するか、③過払い金請求権の消滅時効の起算点はいつととらえるかくらいになっています。

 今回は、①と②の問題に関するものですが、最高裁判例がないため、裁判官によって、大きく判断が異なるような事態になっています。

 まず、悪意の受益者に対する損害賠償請求として、過払金請求訴訟の提訴にかかる弁護士費用については、東京高裁第12民事部平成19年12月19日は、消極的な判断を示しました。

 全く酷い内容ですが、要旨を紹介します。

 弁護士強制主義を採用せず、弁護士費用を訴訟費用として償還することを認めない我が国の民事訴訟制度のもとにおいては、一般に、弁護士費用を損害としてその賠償を求めることができるのは、

 応訴が不当応訴ないし不当抗争に当たり、応訴自体が不法行為を構成する場合に不法行為に基づいて弁護士費用の賠償を求めることができる場合のほかは、

 不法行為または不法行為として構成することも可能な債務不履行の場合のように、義務の発生原因となった行為が不法行為に準じるような高度の違法性を備えている場合に

 限られるものと解するのが相当であり、

 この理は、民法704条後段の損害についても妥当する。

 本件訴訟は、不当利得に基づき、過払金の返還を請求するものであり、義務の発生原因となった行為が不法行為に準じるような高度の違法性を備えているものということはできないから、本件訴訟の提起にかかる弁護士費用が民法704条後段の損害に当たるということはできない。 

 次に、利息制限法所定の制限を超える利息及び元本支払いが架空請求であることを理由に不法行為が認められるかという点についても、この東京高裁は、消極的に判断しています。

 全くもって酷い話です。

 一般に、裁判外の請求は、自己の権利を主張して義務の履行を求める行為であり、それ自体として、その相手方に対し、義務を負わせたり、権利の存否を確定するなどの不利益を与えるものではなく、また、訴訟の提訴のように応訴の負担をおわせるものではない一方、請求を受けた相手方としては、任意の方法により、請求の全部または一部を争うことができるものであるから、

 請求が不法行為になるのは、

 社会的に容認される限度を超えた違法な方法による取立ての場合等その方法が著しく社会的相当性を欠く場合

 詐欺、嫌がらせ、加害その他不法な目的で請求にかかる権利が存在しないことを知りながらあえて請求する場合等

 請求それ自体が著しく社会的相当性を欠き、または公序良俗に反する場合等

 の特別の事情がある場合に限られる。

 本件については、上記特別の事情は認められないから、貸金業者が債務者に対してした支払請求が不法行為にあたるとはできない

 と判断しました。

 この東京高裁の判例は、貸金業者からは、たびたび引用されますが、これと反対の判断をとる高裁判例もあり、担当する裁判官によって大きく異なります。

 今のところ、私が取り扱った事件限りでは、今治簡裁は、①及び②の論点について、積極的ですが、松山地裁今治支部は、①及び②の論点について、消極的です。 

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