【離婚・夫婦】 子の引渡しと直接強制 家庭裁判月報第60巻No11
家庭裁判月報第60巻11号に、東京地裁の裁判官がお書きになられた「子の引渡しと直接強制」と題する論文が掲載されていました。
別居、或いは、離婚した夫婦の間で、子の監護を巡り、激しく対立することが少なくありません。
このような場合、子どもを監護していない一方配偶者から、子どもを監護している他方配偶者に対して、子の引渡しを命ずる審判、保全処分の申立がなされることがあります。
最終的に離婚で親権者を決めればいいのですが、離婚が確定するまでの間、相当時間がかかるため、監護親の実績が考慮されてしまい、親権がとれない場合もあるため、離婚を待たずに、子の引渡を命ずる審判等が申し立てされるのです。
では、審判や保全処分が出たあと、相手方が子どもを任意に引渡をしない場合には、どのような形で、子の引渡を求めるのかが問題となります。
私が経験するところでは、人身保護申立がなされることが少なくありません。
申立代理人、子どもの国選代理人を経験したことがありますが、当事者双方ともに、子どもを大事に思っておられる方が多く、身につまされるものがあります。
今回の論文は、直接強制の活用について、論じられているものであり、これまで、「まともに」直接強制については検討していなかった私にとっては、大いに参考になるものでした。
ただ、子どもの引渡の直接強制については、明文の規定がなく、動産執行の規定を準用せざるえないことから、直接強制の要件などを巡って問題が生じています。
統計では、3地方裁判所の2年間のデーターが紹介されていましたが、25件の申立のうち、執行完了が18件、執行不要・取り下げが7件であり、比較的実効性があるようです。
ただ、動産執行の規定を準用する関係上、論者によれば、直接強制が可能なのは、小学校低学年(6,7才)程度の年齢の子に限られてしまいそうです。
この種の案件は、代理人も精神的な負担が大きく、どのような形で終わるにせよ、子どものことがずっと気に掛かります。













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