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2008年10月24日 (金)

【金融・企業法務】 夜間金庫を利用した場合の、預金契約の成立時期

 旬刊金融法務事情N01845(9月15日)号で、判決速報として、紹介されていた事案です。

 論点がはっきりしており、司法試験の論文でも使えそうな事案ですね。

 A会社が、取引銀行であるB銀行に、約400万円程のお金を、平成19年2月9日(金)から同月13日(火)午前8時35分(夜間金庫開扉時刻)までの間に(なお12日は祝日)、金銭を投入する形で預け入れました。

 B銀行は、13日午前9時19分、Aの当座預金口座への入金処理を行いました。

 ところがです。実は、A会社は、2月13日午前9時には、破産開始決定を受けていたのです。

 B銀行は、Aに対する貸付金と預金債務とを相殺しましたが、破産管財人は、預金は、破産手続開始決定後に成立したものだから、破産法71条1項1号の制限により相殺は無効であるとの主張をして、裁判所で争われることになりました。

 論点はただ一つ、夜間金庫の場合の、預金契約はいつ成立するのか?です。

 考え方は、2とおりあります。

 ① 銀行が受領した金銭の額を計算してこれを確認した説

 ② 金銭の交付があれば足りるとする説

 ②の説だと、破産手続開始決定前に預金債務が成立するので、B銀行の勝ち

 ①の説だと、破産手続開始決定後に預金債務が成立するので、管財人の勝ち

 大津地裁平成19年12月26日も、大阪高裁平成20年5月29日も、①の考え方を採用しており、銀行実務や学説も、①の説を支持している者が多いみたいです。

 400万円位のお金で、地銀も控訴までしてなぜここまで争ったのでしょうかね?訴訟費用も、きちんと回収する必要があると思いますね。

 管財人って、悩みがつきません。裁判所の管財人協議会や、全倒ネットのメーリングリストは、大変ありがたいですね。来月、広島で、全倒ネットの総会がありますが、出席できるよう、バスの予約きちんとしなくちゃと思います。

 夜間金庫で思い出すのは、少し前、偽の夜間金庫を作って捕まった犯人がいましたね。一見として、偽の夜間金庫とわかるような代物だったと思いますが、初めての人は間違えてお金を投入してしまうかもしれませんね。

 きんざいの金融法務例会で、夜間金庫について取り上げて貰えるとおもしろいなあと思います。

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